難治性のPCO(多嚢胞性卵巣)について

肥満を伴わない、男性化が見られないPCOがアジア人種、特に日本人に多く、当院にもやせ形ですらっとしたPCOの方が多くいらっしゃいます。

こうしたタイプは多くは月経不順も軽度で、長くても45日くらいで来潮される方がほとんどです。

一方、筋肉太り、肥満、多毛などの男性化が見られるPCOの方も一部にはいらっしゃいます。

こうした方は、月経の周期も非常に長く、たとえば次の月経まで何もしなけれな100日を超したりするかたがおられます。
なかなか月経が来ないので、産婦人科の外来で注射をしたりしてリセットされる方も多いことでしょう。

鍼灸を行ってもなかなか月経の周期が整わない、また鍼灸をしながらの人工授精や体外受精でもなかなか妊娠されない方には、肥満型や筋肉太りのなどの方が多いです。

もしBMIが25以上の肥満傾向がある方、筋肉太りだと思われている方は体重の5%くらいの減量を目指してダイエットや運動などをされると改善することがあります。
もちろん鍼灸をしながらダイエットをなどを行うとさらに良いと思います。

肥満のPCO方の脂肪細胞にはアディポネクチンという血漿蛋白が低下しており、これがインスリン抵抗性を引き起こし結果的に未熟な閉鎖卵胞を多くしている、という事です。

数年前の不妊カウンセリング学会の発表では、クロミッドの効きにくくなったPCOの方が5~10%のダイエットにより、またクロミッドによる排卵誘発が有効になってきた、という多症例の報告もありました。

多嚢胞性卵巣でもし肥満傾向があれば、ぜひダイエットをおすすめいたします。やせ型が多い日本人のPCOであっても、やはりPCOはインリン抵抗性と高LH環境、高アンドロゲンが関与しますので、適度な運動は大切です。

またPCOであっても鍼灸は卵の質を改善します。
順調に排卵されるようになった時に『良い卵』になっているように、鍼灸をおすすめいたします。

郡山市・はりきゅう今泉治療院さんのブログ記事(PCOS)

当院に毎週研究でやってきてくれる郡山市のはりきゅう今泉治療院の今泉先生が、ブログで大変良い記事を書かれていますので紹介いたします。

今泉先生は若手では特に研究熱心です。
当院での治療法もだいたい伝授しましたので、郡山付近の方には特におすすめいたします。ちなみに一回の料金も3500円と非常に低額で頑張っておられます。

郡山市・はりきゅう今泉治療院 ブログ
(PCOSについて)
http://89ima.com/20161116pcos-4384.html

特に20代の若い方での月経異常の方に多い病態です。
PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)とは、病名のようではありますが、その時の状態を表すもので、決して病名ではありません。

またアジア人、特に日本人ではアメリカやヨーロッパのように男性化や肥満のPCOの方は少なく、標準体型からやせ形の方が多いことが特徴です。
NIH(アメリカの厚生労働省みたいな省庁)とヨーロッパ生殖医学会での合同ワークショップから導き出された新しい診断基準(ロッテルダム診断基準2003)と日本での実情は噛み合わないところが多く、2007年には日本産科婦人科学会内分泌委員会において日本独自の診断基準を提唱しました。

われわれ鍼灸院には、病院での治療が進行していて、クロミッドによる排卵誘発でなかなか卵胞が育たなくなったとか、人工授精を何度行っても妊娠しないとか、また体外受精でも妊娠しないというような、こじれたPCOの方がとても多いです。

標準体型~やせ型が多いアジア人種、特に日本人の場合、肥満の多い欧米人とは違い、PCOの原因にインスリン抵抗性ではなく高LH環境が影響していると考えられています。またその原因には男性ホルモンであるアンドロゲンの影響があります。

高LH環境で中途半端な大きさに育つPCOの卵胞は、胞状卵胞からFSHで育つ通常の卵胞と違い、質の良くないものが多いようです。

鍼灸を行うと、40日程度くらいだった月経周期が少し短くなることはありますが、むしろ卵の質が良くなって妊娠したのではないかと思う方が多いようです。

またタイミング法や人工授精、体外受精でも、排卵誘発が難しくなった方の場合は、数周期鍼灸を行うと、また排卵誘発に良く反応するようになります。

鍼灸だけで自然妊娠することばかりではなく、薬や注射に良い反応を起こす体にすることも鍼灸の目指すところです。