カテゴリー別アーカイブ: 研究会・勉強会・研修会参加

佐賀県でお話ししたこと(不妊治療で鍼灸が目指すもの)

ほとんど自分の覚書になりますが、下記の内容を佐賀県でお話ししてきました。

不妊症の疫学、

  • カップルの6組に1組は不妊カップル
  • 治療を行っているのは、そのうち3分の1
  • 平成27年より、不妊期間が2年→1年 と定義が変わった
  • 体外受精で生まれる子供は、今や21人に1名存在

 

鍼灸で期待する効果、

  • 陰部神経刺鍼通電、中髎穴刺鍼法による、卵巣機能改善、子宮の血行改善など
  • 快適性、QOLの改善などによる、フィードバック機能の改善(排卵などの改善)
  • 妊娠出産なき月経の繰り返し → 子宮内膜症体質 これに対する鍼灸治療

 

効果の現れてくる期間:卵子の質の改善

  • 2週に3回の治療で4か月以降から
  • 40歳以降の場合、治療開始後の3ヶ月は、1週に2回程度行った方が効果が出やすい
  • 30歳代前半では、1週に一回でも良い(1週間以上、間隔を開けない事)

 

ざっくり覚え書きにすると、上記の話でした。

鍼灸は西洋医学と違い、体質の改善を主に目指します。1回1回の治療の積み重ねによって効果が表れてきます。

自然妊娠を目指す方から、体外受精を受けている方まで当院では幅広く対応いたします。

ぜひご相談ください。電話 0248-27-1846
三瓶鍼療院 → http://www.sanpei89in.com/

JISRAMのパンフレット

不妊症治療を一生懸命研究している仲間と、震災後に不妊鍼灸ネットワークを作りました。

全国各地で、やはり真面目に一生懸命研究している仲間を集め、だんだんその会も大きくなって行きました。

やがてその会は、一般社団法人の法人格を取得して、ますます発展しています。

ぜひ当院玄関にあるパンフレットをご覧ください。

一般社団法人JISRAM http://jisram.com/
※JISRAMは、日本生殖鍼灸標準化機関の英名の略です。

下記はJISRAMまでの道のりを書いてPDFにしてみました(2ページ)

http://www.sanpei89in.com/diary/img/2017/11/about_JISRAM.pdf

当院では不妊、妊活治療を行っております。
三瓶鍼療院 → http://www.sanpei89in.com/

全日本鍼灸学会 東北支部学術集会へ参加しました

10月15日の日曜日は、仙台の東北大学医学部にある大学院研修棟にて開催された全日本鍼灸学会東北支部学術集会に参加しました。

先週のというか、8,9日の日鍼会大会大阪大会に続いてのお勉強会。家庭の事情で前夜の学術委員の懇親会は欠席しました(;^_^A

郡山市・一寸法師ハリ治療院の院長でもある中沢支部長の開催挨拶とミニ講義のあとは、講座が2つと、学生発表、一般発表と続きます。

講座1の東京・牧田総合病院の鍼灸師である石塚僚司先生からは、醒脳開竅法の治療法と病院内での診療の実際についてご講義いただきました。

脳血管障害の後遺症である片麻痺などの治療で効果的な治療で、当院でも一時期行っていたことがありました、が、当時は書籍のみでの独学で、なかなかマスターできず中止した経緯があります。10年以上前に読んでいた『中医臨床』という月刊誌で、牧田総合病院の取り組みなどや醒脳開竅法を行っていることは知っていました。

実際に習ってみたい、と思っていた先生はまさにこの石塚先生。

もう少し早く出会いたかったです(;^_^A

次の講座2
東北大学医学部漢方内科准教授である髙山真先生の講義。

東北大学医学部のカリキュラムでの、医学生への漢方・鍼灸の教育や、実際に診療している様子などをご講義いただきました。

福島医大でも鍼灸の授業はありますし、会津医療センターでは鍼灸の診療科があります。会津医療センターでは総合内科の宗像先生に毎年、講師をしていただいております。東北大の髙山先生は総合内科の専門医でもあります。

福島医大でも東北大でも、総合診療科と鍼灸は関係が深いですね。

赤門鍼灸柔整専門学校(仙台)、福島医療専門学校(郡山)、福島県立視覚支援学校(福島)の学生さんの研究発表が続きました。学生と言えど、いい研究しているなぁ、指導の先生の賜物だと思いました。

私も東京で発表したものですが、男性不妊について発表させていただきました。一回発表しているからとリハーサルを抜いていったので、しどろもどろの話し方になりまして(汗)

質疑応答に至っては漫才のようになってしましました。
会場の方にはたくさん笑っていただきました。

ほか、いわきのしゅう鍼灸院の柏原修一先生、会津医療センターの研修生である村橋昌樹先生の発表がありました。

 

連休は大阪へ

秋の連休は、所属している日本鍼灸師会の全国大会で大阪に行ってきます。

毎年各地を持ち回りで開催している学会ですが、この10月も大忙しとなります。

1日は、郡山保健所での、まるごとけんこうフェアに鍼灸師会として出展しました。

翌週の連休は大阪。

その翌週15日は全日本鍼灸学会東北支部の学術集会があります。

行きは福島空港から大阪・伊丹へ。毎度おなじみで年に2回は乗っている便です。

帰りは新幹線で。

大阪の大会の参加証と抄録が届きました。

1日目は昼食会議があるのですが、弁当を頼み忘れたので、なにか買って行かないとひもじいですね(;^_^A

JISRAM東京研修 その5

毎度拙文にお付き合いくださいまして、ありがとうございます。

一度に書くと大変な量となりますので、分割してのJISRAM東京研修のレポートとなります。

最後の講座は、古典医学研究家の槇佐知子先生による、『医心方』の生殖医療分野の解説でした。

医心方は、中国・唐の時代に存在した膨大な医学書から、平安時代の鍼博士である丹波康頼が284編?の引用をしてまとめ上げた日本最古の医学書で、1984年に国宝に指定されました。

古代の中国に存在した膨大な医学書の重要部分を引用して作った日本最古の医学全書とはいえ、引用元の文献も中国歴史上の政権交代、戦乱などによりほとんど残っておらず、世界的にも大変貴重な歴史的医学書となります。

医学も現在の科学の一分野ではなく、呪術や迷信、宗教観の色濃いもので、現在の医学常識とはかけ離れた内容であったようです。

当時この医学書を用いたのは、宮中や公家、豪族などの名家ばかりであり、特に世継ぎに恵まれなかったときは家の断絶にも関わることで、大変なことのようでした。

講師の槇先生の語りも大変楽しく、まるでタイムマシンに乗って平安時代の様子をうかがっているようでした。

最後に記念撮影。
全国からのご参加、大変お疲れ様でした。

ちゃっかりと、山下湘南夢クリニックの中田久美子先生と記念撮影していただきました。

今年の残りの研修は、下記となります。

  • 10月8日(日)、9日(祝)日本鍼灸師会全国大会大阪大会
  • 10月15日(日)全日本鍼灸学会東北支部学術集会(発表)
  • 11月18日(日)佐賀県鍼灸師会(講義依頼)
  • 12月3日(日)福島県鍼灸師会
  • 12月10日(日)茨城県鍼灸師会
  • 12月21日(木午後から)福島県立視覚支援学校(講義依頼)

 

 

JISRAM東京研修 その4

研修は、講師のお話を聴くだけの講座と、自らが参加するワークショップ形式の講座がありまして、JISRAMではいろいろな分科会があります。

私が入っている分科会は、男性不妊を研究する『おたまじゃくしの会』です。

ワークショップの模様は↓

女性ばかりが取り沙汰される不妊症ですが、男性に原因があると思われるものは約半数あります。それも、男性に自覚がないケースがとても多く、この場合の妻側の治療はどんどん長期にわたる場合があります。

WHOの精液基準値となる、WHO精液ラボマニュアル2010によると、自然妊娠に必要な最低基準で1ミリリットル当たり1500万匹。これで問題ないとする国内のクリニックも非常に多く、これで自然妊娠しないならば人工授精や体外受精に進みましょう、という事なんでしょうね。

やはり子を授かることは自然の摂理ですから、自然妊娠が一番良いと思います。乏精子症などには鍼灸が非常に効果がありますから、男性にもぜひおすすめいたします。精子の数や運動率が向上します。

JISRAM東京研修 その3

研修その3は、インシデントレポートです。

鍼灸は副作用もない(非常に少ない)安全な医療ですが、もちろん危険防止について学ぶこともたいへん重要です。

研修では、より安全な刺鍼法について、明生鍼灸院・木津先生より提案がありました。

中髎穴刺鍼法という、子宮内膜を厚くする効果がある刺鍼法です。また間質性膀胱炎という極めて難治な膀胱炎に対しても行う手技です。

より安全に刺入するためのハリの長さ、角度について提示がありました。

 

JISRAM東京研修 その2

JISRAM東京研修その2は、山下湘南夢クリニックの培養室長である中田久美子先生による『一流の培養士への道』です。

中田先生は、以前は加藤レディスクリニックの研究室に勤務しており、様々な研究業績を残されました。

『不妊治療はつらくない』(加藤修著)の中に紹介されている、『卵子回帰説』を証明する実験に参加された第一人者でもあります。

卵子回帰説とは、子宮内に移植された胚が子宮内にとどまらず、黄体ホルモン(プロゲステロン)、卵胞ホルモン(エストロゲン)の高低によって、卵管に戻ったり子宮に留まったりする、というものです。

一人前で終わらず、生命を扱う医療者として常に一流の高みを目指す培養士の使命について、常に厳しい研究姿勢をお持ちだと感じました。

私たち鍼灸師も、常にそうありたいと思います。

JISRAM東京研修 その1

先日、山形へ行った次の日の9月18日は、東京での研修でした。

この日はライフワークである不妊や生殖医療についてなので、非常に楽しみにしていました。

会場は、渋谷のヒカリエ。
11階の展望台から見る、富士山。

第一講座は、不妊症とは一見関係ないと思われる、リウマチの話で、大阪の中島先生の講義でした。

一昔前は、進行性で骨変形が不可避であったリウマチでしたが、近年、MTX(抗がん剤・メトトレキサート)、生物学的製剤などの出現により、しっかりした医療を受けていれば、生活の質を高く保っていられる例が多い、という事でした。

ただし、こうした高価な薬が効くにも、もともとの体の状態も良くしておくことが必要であり、鍼灸は『薬が効く状態にすることができる』という事でした。

これは体外受精などでの排卵誘発にも言えることだと思います。
高価な注射などで排卵誘発するにも、体の基礎的な状態を良い状態にしてくことで、質の良い卵が採卵できる、という事だと思いました。

 

卵の質の改善(カナケンセミナー覚え書き) その2

体の状態を改善し、また栄養の状態を良くして、次はその栄養や改善したホルモンの状態を成長していく卵子にどうリレーするか、の話になります。

原子卵胞から成長していった卵子は、排卵前3ヶ月より胞状卵胞となります。このあたりでは、ホルモンでは排卵するためのLHホルモンの刺激により成長し、受精した後に卵割~成長へ必要な栄養をためていきます。

卵巣にはたくさんの細かい血管があり、LHサージの時にその刺激を血液で伝え、またそれ以前1年くらい前からすこしずつ栄養を卵子は蓄えていきます。

特定のツボへ特定の刺激を加えると、交感神経の抑制を得られ、卵巣の血流が改善することは、いくつか前のブログ投稿で書いた通りです。

この、卵巣などの特定の臓器の血流を改善する(血流を増加させる)ことは、鍼灸が得意なところです。

※以降、カラーアトラス 不妊診療のための卵子学 より

上は排卵直前の成熟卵胞ですが、卵胞壁から卵子顆粒膜細胞へ血管が出来ています。ここまで運んできた栄養やホルモンは、さらに微小な循環で卵子に供給されます。

顆粒膜細胞の最も内側(卵子側)にある放射冠細胞の先はTZPと呼ばれる先端が卵子の透明体に入り込んでいます。

 

TZPと卵子表面は、GapJunction(ギャップジャンクション)と呼ばれる一種の突起でつながれていて、ここから栄養やホルモンが卵子に入り込んでいきます。

一節には卵子内のミトコンドリアはこの近辺まで近づき、糖質などの栄養を確保するというお話でした。

※日本IVF学会前理事長 森本義晴先生から直接お聞きしたお話しです。

森本先生はIVFなんば、IVF大阪、HORACグランフロント大阪クリニックの3院を合わせると世界最大の生殖医療専門クリニックとなるIVFジャパンの理事長をされていて、ミトコンドリア自己移植による生殖医療の研究をされていますが、鍼灸の可能性には大変な期待を持たれています。

下の写真は、2年前に開催された第64回全日本鍼灸学会(郡山開催)の懇親会の時のものですが、鍼灸の学会に来ていただいて不妊症と鍼灸についてご講演いただいた事は大変良い思い出です。

第64回全日本鍼灸学会で森本義晴先生と