タグ別アーカイブ: 子宮内膜症

大阪で講演してきました

しばらく更新のなかったブログですが(;^ω^)

縁あって、大阪で講演させていただいてきました。
ついでに、ちゃっかり来年の第64回全日本鍼灸学会ふくしま大会の営業もさせていただきました。

12月24日の日曜日、会場は名門・森ノ宮医療学園専門学校の講堂でした。

この日は午後1時半からの講義でしたので、午前中は大阪城となりにある、大阪歴史博物館を見学しました。あちこち歩きながら大阪城を目指したので、3時間、10キロ弱のウォーキングをしてしまいました。

今回は、実技含めて3時間のコースでした

例のごとく、、前夜というか日付をまたいで深夜までおよぶスライド整理、、、当初は配布予定のなかった資料ですが、急遽配布することになり、大慌てしました。

参加者は100名を越えたそうで、大阪府鍼灸師会の学術講習会としては今年度1番の大盛況だったとか(;^ω^)

会場は100名オーバーの参加者。
学生も20人くらいいたでしょうか。
遠くは九州・福岡や、神奈川県より参加された先生もいらっしゃって、講師としてはたいへん冥利に尽きます。

午後の眠たくなる時間帯でしたので、控えめにギャグを入れますが、、寒かったのか笑いがなかなか取れませんでした。。。(汗)

今回、ちょっと力を入れてみた排卵障害です

内容では、いままであまり話すことのなかった排卵障害についてその種類や鍼灸治療の適応、治療法を話しました。

成人女性であれば、10回の周期に1回はあるという未破裂黄体化卵胞(PUF)、また最近特に若い方に多い多嚢胞性卵巣(PCO)などの第一度無月経、強敵となる第二度無月経について話しました。

不妊症の治療を行う上では、やはり卵の成長から排卵までのプロセスを深く理解しておくことが何よりも大切です。

良い卵子が排卵できて、感受性の高い子宮の状態であれば黄体機能も良く働き、妊娠しやすくなります。

前回、福島市での全日本鍼灸学会B講座のスライドも使用

また自然妊娠や体外授精とも、不妊期間が長かったためにおこりやすい、子宮内膜症体質の改善もとても大切です。

自宅での灸などセルフケアも効果的ですし、何よりも女性不妊症をおこしやすい生理活性の強い『(臨床的)軽症子宮内膜症』こそ、鍼灸で体質改善しやすいのです。

実技は、手元をスクリーンに投影するという手の込んだものでした

講演2部で、実技となりました。
100名を超える聴講者へ手元が良く見えるように、との配慮でビデオ撮りしながらスクリーンに映すというやり方でした。

卵巣機能改善、卵子の質を改善させる、体外授精などのARTでは採卵成績をアップさせる明生鍼灸院伝授の陰部神経刺鍼や、当院での治療を披露させていただきました。

講演を支えてくださった不妊鍼灸ネットワークの先生方、、ありがとうございました!

講演を無事終えて、不妊鍼灸ネットワークの会員のみなさんと記念撮影しました。

手厚く歓迎してくださった堀口先生、西村先生、また遠くから遠藤先生、絶妙の質問をいただいた駒井先生、モデルになっていただいた露木先生、なかむら第二針療所の田邊先生、大変ありがとうございました。
(カメラのシャッターを押していただいたIVFなんばクリニックの先生、ありがとうございました)

鍼灸の日本での本場は大阪や京都などの関西で、東北の鍼灸師が大阪で講演させていただく、というのは大変名誉なことです。
天国のオヤジもきっと喜んでくれたことでしょう。

全日本鍼灸学会東北支部B講座で講演してきました

会津医療センター漢方医学講座開講記念会津漢方研究会での研修の翌日は、一泊した会津若松から福島市に向かいました。

紅葉のすっかり終わった土湯峠を越えて福島市入りして、午後から90分の講演をしてきました。

私の前には福島医療専門学校教員の千木良先生、後にはオリンピック選手や有名俳優のトレーナーとして活躍している大高先生のスポーツトレーナーの講義でした。

前後をスポーツトレーナー活動に挟まれての講演でした

 

現在、子宝になかなか恵まれないカップルは、7組に1組とか、6組に1組とか言われています。
当院では先代から特に不妊症治療を行っておりました。

当院の女性不妊治療の基本となる治療方針です

 

当院では自然妊娠だけではなく、体外授精などARTを受けていらっしゃる方などがいらっしゃいます。
比率からいえば、すでに何度も体外授精などを受けている方が圧倒的に多いようです。

良い卵子『こだわりの卵』(アキュラ鍼灸院・徐先生命名)の作り方は、当院では良いホルモン環境を作るための体つくりとしています

 

当院の治療では、すべての患者さんに自然妊娠ができやすいように妊孕性が改善する治療を行います。

生活環境の多様化、なにかとストレスの多い方が多く、これらの影響が排卵や卵子の状態に悪い景況を及ぼしていることをが多く、良い卵子を良いタイミングで排卵するような体つくりが基本となります。

鍼灸は様々な悪いストレスから起こされている様々な症状を改善し、卵子や排卵の状態を改善すると考えられます。

妊孕性を悪くする子宮内膜症の文献的考察

 

一方、妊娠・出産しない(できない)ことが、不妊の原因にもなります。結婚年齢の高齢化などから、子宮内膜症の罹患率が非常に高まります。

子宮内膜症はさまざまな不妊因子を作りますが、なかでも月経痛などが主訴となる軽症な子宮内膜症ほど、腹腔内の免疫異常が起きやすく、不妊になりやすいそうです。

当院に掲示してある赤ちゃんの写真

 

鍼灸は月経痛には特に良い効果があり、軽度の子宮内膜症にも良い効果があると考えます。(特に続発性の)月経痛の改善は、子宮内膜症の改善につながります。

ホルモンの改善による排卵や卵子の状態の改善、(経度)子宮内膜症の改善が、当院の不妊症治療の基本となっています。

また着床しやすく、妊娠状態を安定させ流産率を減らすために、中リョウ穴刺鍼法を当院流にアレンジして行っています。

卵子老化対策や卵子の質を改善するためには、卵巣への血流を増加させて卵巣の働きを改善する陰部神経刺鍼を行っています。

子宮内膜症と不妊、とくに着床阻害について(不妊鍼灸ネットワークでの講義内容)

名古屋での私の講義の持ち時間は30分。
テーマは『子宮内膜症で』と、明生鍼灸院の木津先生からお題を指名されたので、今回は着床を阻害する要因としての子宮内膜症に絞ってみました。

三瓶が口を開くと、あぁまた子宮内膜症か、、、と、参加者によっては5回も6回も聞かされていると思います。

それでも、原因不明不妊が難治性不妊の大部分を占める昨今の情勢の中、子宮内膜症を知れば知るほど、妊孕性を向上させるという曖昧な鍼灸の効果の一つに、この子宮内膜症がもたらす月経痛の改善効果があると思うのです。

着床とは、子宮の内膜に受精卵が接触した時から始まる一連の生理的生物的な反応ですが、その後の妊娠継続も含めて実に不思議で精巧なものです。

本来、授精した卵は母体にとっては異物であるはずです。
夫側由来の遺伝子と何かしらのエッセンスがあり、普通ならば母体が排除にかかります。

たとえば人体に無害なスギの花粉が鼻粘膜に接触すれば、花粉症の方は鼻炎を起こして花粉を排除しようとします。

話がそれましたが、妊娠や特に着床を阻害する子宮内膜症の話に戻ります。

子宮内膜症と不妊症・全体像
子宮内膜症と不妊症・全体像

子宮内膜症の女性不妊に及ぼす影響は実に様々です。
子宮内膜症に罹患すると、通常よりも腹水が多くなり、腹水中の免疫が亢進します。
この免疫が亢進した腹水がもたらす影響の一つとして、卵子のピックアップが悪くなり、また卵管内を泳ぐ精子の運動が阻害されるそうです。(参考文献1)

子宮内膜症の不妊要因3つ

また子宮内膜症は、進んだものになると卵巣でチョコレート嚢腫ができ、卵管内で繰り返し発症すると卵管が閉塞することが知られています。

今回のテーマは、子宮内膜症患者の腹腔内環境が不妊・特に着床にどういった影響があるか、についてでした。

 

子宮内膜書と着床障害

受精卵が子宮の内膜に接触しただけでは着床は始まらず、インテグリン、トロフィニンといったサイトカイン類の作用があって着床が開始されます。

その後、受精卵からはさまざまな信号や物質の移動が子宮内膜に向けて行われるそうです。

なお、着床の初期の接着を強固にするものとしては、精漿中に存在するケモカイン類が挙げられるそうです。
精漿中のケモカインが子宮の内膜に局所的な炎症を起こし、着床の準備状態が作られる可能性があるそうです(参考文献1)

 

ウサギを使ったHahnの実験(1)

子宮内膜症のウサギを作り、人工授精すると、通常の妊娠ウサギよりも大幅に胎児が少なかった、という実験。
アメリカの産婦人科雑誌に発表されました。

子宮内膜症ウサギの腹水を正常ウサギに腹腔内投与した実験

また子宮内膜症のウサギの腹水を、正常なウサギの腹腔内に投与して人工授精をしたところ、同様に平均胎児数より大きく減少した、そうです。

illeraの2000年に発表された実験

子宮内膜症患者(人間)の腹水を100倍に薄め、妊娠したマウスの腹腔内に投与したところ、胎児が大きく減少した。
(参考文献からは、妊娠前に投与とは書かれていませんでした)

以上はすべて子宮内膜症の腹水に、着床や妊娠を阻害する原因があることを示しています。

 

Edwardsの子宮内膜の実験 Lanset誌 1991年

一方、腹水ではなく『規則正しい周期で(妊娠せずに)月経が起こる子宮の内膜』に、着床や妊娠を阻害する要因があることを調べた実験もあります。

Edwardの仮説と、堤治先生の子宮内膜症の罹患率の説

Edwardsは、周期的に機能している子宮内膜には、着床や妊娠を阻害する因子が蓄積するのではないか?と仮説を立てました。

周期的に(妊娠せずに)月経がある子宮で、子宮内膜症が起こりやすい、とは、山王病院院長で元東大産婦人科教授の堤先生も言われております(文献3)

一方、子宮内膜症の主な症状は不妊のほかには強い月経痛があります。

鍼灸はその月経痛には大変良い効果があり、2~3周期の間、週に1~2回の治療を行うと服薬の必要がなくなったり、生活の質が大変向上します。

当院の考える、『妊孕性の向上

月経痛は子宮の収縮によるもののほか、骨盤内での炎症性病変が起こしているものだとすれば、これが改善するのはそういった炎症が少なくなることであり、すなわち着床・妊娠をを阻害する炎症性のサイトカインが少なくなるのではないかと当院では考えます。

子宮内膜症にはさまざまな重症度があり、アメリカの不妊学会ではそのステージを4つに分類しています。

重症度が高いほど、着床・妊娠を阻害するサイトカインが働くというのではなく、比較的軽症のⅠ期、Ⅱ期のものが、そういった生理活性が強いという報告もあります。(文献4)

月経痛があるかたは、その改善も妊娠しやすい体にするために大切なものとなります。

 

 

<参考文献>

後日掲げます