不妊症

不妊鍼灸ネットワーク研修会 京都(1)

今年になって初めてのブログ書きとなります。
さすがにしばらく書いていないとアクセスも落ちますなぁ。

昨年の当院の、妊娠を希望される方への不妊治療の結果をまずお知らせいたします。

1月はじめから12月末までで、妊娠された方は48名となりました。震災前の約2/3ですが、震災や原発事故で新患が減って分母が減ったことを考えると、だいぶ向上してきました。

40歳以上では、43歳、42歳、42歳、40歳と4名の方がいらっしゃいました。

また名誉なことに、関西で秋に開業したある専門クリニックの妊娠第一号の患者さんは、当院の患者さんでした。

さらに国内屈指の不妊治療を行う郡山市の乾マタニティクリニックで1月4日に妊娠陽性判定を受けられたかたが5名だったか6名いらっしゃと伺っていますが、そのうち2名の方は当院の患者さんでした。

今年も不妊鍼灸ネットワークでの研修を重ねて、最も有効な治療を提供したいと考えています。

さて、、では本題の研修の話に進んで・・・写真が多いので2部構成ということで。

土曜日の診療を終え、いったん帰宅して東北道・西郷バスストップから一路・京都駅八条口へ。
関西のクリニックで治療を受けられていた患者さんもこのバスをよく利用したとのことで、通院も大変だったなぁ、と実感いたしました。

何しろ熟睡はできませんし。
バス内が消灯時刻になっても眠れないので、スマホで映画を見ていたら、、お隣の席のおねぃさんに『スマホの画面が明るすぎて迷惑です』と怒られました(汗)

仕方ないので、瞑想すること数時間。

やっとついた京都駅八条口・・・時刻は朝6時半過ぎでまだ真っ暗。

てくてく歩いて西本願寺だったか東本願寺だったかに向かいます。



お寺の参道付近のためか、周りはほとんど仏具屋さんばかり。つらつら眺めながら歩いていると、『読経CD』なんかも売っているんですねぇ。

で、

山門へ到着。山門から広〜い国道一号線をわたってお寺へ入ります。



朝早くから境内では、読経の声が聞こえてきます。
しかも!数百人くらいお坊さんがいらっしゃるのでは?という超ステレオ放送!



しばし境内をうろついて、散策します。
京都は地価もたいへん高く、町屋づくりの家の間取りもたいへん狭いのですが・・・すご〜く広い敷地でした。

研修会場近くまで1時間かけてゆっくり歩き、喫茶店で休憩。ここで今日少々お話しするスライドをパソコンを開いて修正と見直し。

9時くらいになり、群馬の秋森先生からFacebookのメッセージで連絡があり、合流して研修会場へ着きました。

(つづく)

ジネコ【漢方・鍼灸】掲載にあたって

当院に置いてあるフリーペーパー『ジネコ』で、漢方・鍼灸版届きました。

さっそく待合室に置きましたので、ぜひお持ちください。Q&Aでは、当院でも執筆しております。



(クリックで拡大します)

当院に割り当てられた質問は、45歳の女性の方からの質問でした。

・採卵するたび、変性卵ばかりで落胆する。
・AMH(抗ミューラー管ホルモン)を測定すると、1.0ng/mlという低い数値であった。
・専門医からソフィアAなどのピルを服用して卵巣を休ませたら?と言われたが、卵巣の機能がよくないのにピルを服用して良いものなのだろうか?

こういった質問でした。

通常、ピルは女性ホルモンであるエストロゲンと黄体ホルモンであるプロゲストロンの二つが入っており、服用すると卵巣で卵子・卵胞の成長を止める作用があり、排卵が停止します。

服用の仕方は、ピルの種類にもよりますが、通常は21日を連続で服用し、7日間を休薬するというものです。
実際には、7日間を休薬すると、いつ薬を休薬したのかが忘れてしまうので、薬の成分のない偽薬をその7日間服用するというものがほとんどです。

卵子の成長段階で、AMHが測定できる胞状卵胞よりずっと以前の卵細胞に、『休薬なしのピル連続服用』が悪影響があり、AMHが下がることがある、という報告もありました。

当院にも、体外受精での採卵の前後にカウフマン療法やホルムストローム療法らしき治療を受ける方が多くいらっしゃって、その服用法を良く訊くと、プレマリン+プラノバール、プレマリン+ヒスロンという服用の仕方が多いようですが、必ず休薬期間を作っているようです。(多くは服用を停止させて消退出血=排卵のない、いわば“偽月経”を起こさせているようです)

通常のこのような服用の仕方では、1〜2周期後にホルモン値が改善することが多く、たとえば採卵などでは良い結果に結びつくことが多いように見受けられます。

変性卵については、多くは採卵や顕微授精のときの偶然に起きてしまう不具合によるものが多いそうで、必ずしも加齢による卵子の不良が原因ではないそうです。

以上のことは紙数にも限りがあってジネコのQ&Aには書ききれませんでしたので、補足説明として1枚を印刷して該当ページにはさんであります。

ぜひご来院の際はお持ち帰りになり、ご一読ください。

群馬県で講演してきました

11月9日の日曜日に、公益社団法人群馬県鍼灸師会のご依頼で不妊症の鍼灸治療について講演させていただきました。


内容は、不妊症(女性・男性)についての全般的な話から始まり、当院の治療についてで、座学が約90分、実技が90分でした。


(マイクを持ってくださっているのは、座長の秋森先生。不妊鍼灸ネットワークの会員でもあります)

子になかなか恵まれないカップルは、10組に1組から最近は7組に1組と言われています。

なぜ授からないのか、については、当院では1)男女ともストレスや生活リズムの乱れなどによるホルモン環境の乱れ、2)女性では妊孕性を阻む子宮内膜症体質の増加にあると考えています。

1)ストレスによるホルモン環境の乱れについては、
 ・卵巣での卵胞、卵子成長と、排卵から月経に至るまでの周期は、体内時計の狂いによって乱れます。
 ・排卵障害の原因の一つである高プロラクチン血症などは、ストレスによって起こる場合もあります。


2)子宮内膜症体質については、
 ・初潮年齢の低年齢化(これについては諸説ありますが)
 ・結婚年齢の高齢化

以上による【妊娠なき月経回数の増加】により、診断はされなくともごく軽症の子宮内膜症や、子宮内膜症になりかけの月経痛を主とした月経トラブルを抱えた女性が多くなっています。

たとえば、テレビによく出ていた大家族の石田さん一家の場合、7男2女9 計9人のご出産歴を見てみるとほぼ2年に一回くらいご出産されています。

妊娠は10ヶ月、その後に母乳で赤ちゃんを育てると約1年、つまり約2年近く排卵が停止します。
つまりその間月経が停止することになり、石田家のお母さんは、生涯で経験する月経の回数が少ないといえるでしょう。

一方、子宮内膜症は、
 ・月経が規則正しい方ほどかかりやすい
 ・30日周期よりも29日、28日と、短い日数で月経が来る方ほどなりやすい、

と言われています。
(生殖医療のすべて:堤治先生より)

以上、妊孕性を向上させることにつながることは、下記にまとめてあります。

http://www.sanpei89in.com/tex/funin.html



最後に記念撮影。
一般公開だったそうで、看護師さん、助産師さん、薬剤師さんも聴講されていた、ということでした。