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低置胎盤と鍼灸

さかご(骨盤位・逆子)でもないのに帝王切開になる原因の一つに、胎盤が子宮口付近に成育する前置胎盤があります。



原因については、受精卵の着床部位が低く、子宮口付近に着床すると前置胎盤になりやすい、などという説もありますが、定説はないようです。

軽度の前置胎盤の一つとして、胎児の頭より胎盤の下縁が下になる低置胎盤というものがあります。

妊娠週数が早ければ、大きく成長する子宮につられて、胎盤も上方に移動するのが普通なようで、だいたいは経過観察し、出産月近くになって改善がなければ、帝王切開の適応になるようです。
(子宮口に胎盤の一部でもかかったり、やはり胎児の頭部より胎盤の下縁が低ければ、胎児の娩出時に出血が大きくなりやすく、リスクの大きい出産となる、とのこと)



二人目不妊で当院で治療をして無事自然妊娠(一人目も当院の治療で自然妊娠され、無事女児を自然分娩されています)された39歳女性で、妊娠32週5日(32W5D)が、この低置胎盤のため治療に訪れました。

幸いにも改善し、自然分娩が可能となりました。

当院では妊娠後の鍼灸は、特に当院で不妊治療をされていた方には妊娠20週まですすめています。心拍が確認できるまでは週に一回で、その後は2週に一回程度の頻度で鍼灸を行います。

妊娠初期から安定期までの治療は、母胎の状態を安定させ、日々大きくなって行く子宮の血行を良い状態に保ち、無理なく自然分娩できる体を作る効果があると思っています。

※記事中の写真は、メディックメディア刊 『病気が見えるVol.10 産科』P110,P111より