個別表示

子宮内膜症と不妊の鍼灸治療・・・3月28日の講演予定

変な言い回しですが、原因不明不妊の原因は一つの原因ばかりではなく、周期ごとに原因が違うものが多いように思います。

タイミングが悪かった、とか、その周期について排卵がなかった、とか、または夫の精子の状態がそのときだけたまたま悪かったなど・・・生殖とは本当に分からないことばかりです。

また言い方が変ですが、原因不明不妊の原因の一つに子宮内膜症があります。
子宮内膜症であれば、手術や薬によって治療しているではないか?と思われますが、それは比較的重症な子宮内膜症についての事です。

月経痛や月経前の腰痛・腹痛、性交痛などの子宮内膜症によると思われる症状があっても、卵巣の腫れなどがない限りは特に治療せず、不妊治療を行っているのが現状のようです。

子宮内膜症が不妊となる要因は、日本産婦人科学会誌61巻9号に、下記の通り書いてあります。

<卵巣・卵管機能の障害>
 1)卵巣・卵管の機械的障害
 2)排卵障害
 3)卵胞発育の異常
 
<免疫異常>
 1)液性免疫の亢進
 2)抗子宮内膜抗体

<腹腔内貯留液の影響>
 1)活性化マクロファージの影響
 2)サイトカイン

<子宮内膜異常>
 1)着床に必須のサイトカイン産生低下
 2)脱落膜化の異常

以上のような事が書かれています。

およそ鍼灸師の治療に関わりがないような不妊の原因ですが、痛み止め以外に積極的な治療がない特に軽症な子宮内膜症には、【瘀血(おけつ)】の概念のある鍼灸が効果があります。

子宮内膜症の存在は、主訴となる月経痛や出血などの現れ方に特徴があって、およそ90%近くが問診で分かると言われています。

その問診の内容や、子宮内膜症性不妊症の原因、治療について、当院で行っている瘀血(おけつ)治療を主にお話ししたいと思っています。