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不妊症の患者さんたち(4) 患者さんに教えられること

精子の数が極端に少なく、妊娠が非常に難しいと言われ、鍼灸を試そうと思って通われている40代男性の話です。

通院は昨年の7月末から、週に一回行ってきました。
『最悪の場合は、精巣から生殖細胞を採取し、精子を作り出して受精させる方法もある』・・・とはこの患者さんから聞かされました。

不妊症も最先端治療になると、その進歩はめざましいものがあります。

AIHやIVFの場合採取した精子を凍結保存しておいて、卵胞の発育具合によって解凍して使用しますが、この患者さんの場合は凍結保存し解凍すると、もともとやっと採取したわずかな精子もすべて死滅してしまったそうです。

つまり数も少ないし、生命力の薄い・質の良くない精子しか出来かなったようです。

大変まじめな患者さんで、週に一回通院し、今年になるとめざましく改善してきました。
一回に採取する精子が大変少ないのですが、凍結しても死滅することはなく、数回精子を採取し、そのたびに凍結保存。まとまった量になったところでAIHを行えるようになりました。

『一回の量が少ないときは、数回採取し、凍結保存して貯めておくことができる』

利息は付かないですが、貯金みたいなものですね。

なるほど、これもまたはじめて聞いたやり方です。

凍結しても死ななくなった精子君、今度は数が増えるといいですね。