No.848の記事

山梨で講演してきました 特に男性不妊について

5月22日(日)は、山梨県鍼灸師会学術講習会で講演をさせて頂きました。

不妊症の最新治療と鍼灸治療、という演題をいただいていましたが、特に自然妊娠を目指した鍼灸治療についてお話しさせて頂きました。

鍼灸院に不妊で治療にいらっしゃる方はまずほとんどが女性です。

35歳以上で初婚を迎えられた方が多くなってきている。そして30歳以上の女性について卵巣予備能について触れ、男性についても加齢による精子数の減少などの可能性について時間を割いてお話しさせて頂きました。

<スライドの一部>
 

 
不妊症の原因として、まず女性と男性ではほぼ半数の原因を持っていると2007年の厚生労働省の発表があります。
 
1930年代から1990年代までの世界中の生殖年齢にあたる男性の精子数に関する61論文の分布のグラフから、世界中で精子数の減少が起きていることが分かります。

また別のスライドで出生年代別に見た精巣の加齢による重量の変化では、1920年代に出生された方の場合、加齢による重量にそれほどの変化は見られないのですが、現在30歳代より若い方は、10代の頃にピークを迎え、だんだんと重量が軽くなることが示唆されます。

精巣の重量が軽くなると言うことは、そこから作られる精子の数が減ることを意味します。

草食系男子、と大人しくなった若者がよく言われますが、精子数も10代ころにピークを迎え多くの方が結婚される30代には精子の数も減少傾向になっているようです。そのピークさえも70年前の男性よりもずっと少なく・・・。
 

 
女性の方が取りざたされやすいのですが、子宝に恵まれないカップルの多くは、男性不妊とまで行かなくとも少なからず夫側にも問題があるようです。

精子の少ない、運動率の悪いなどと言った乏精子症による男性不妊に対して、少ない症例からですが鍼灸に良い効果のある可能性をお話しさせて頂きました。
 
また大震災・原発事故のさなかにめでたくご懐妊された
方が数人あり、思い出深い症例として紹介させて頂きました。