No.977の記事

子宮頸がんワクチンは不妊症の原因になるのか?

以前、山梨県鍼灸師会で講演させて頂いたとき、タイトルのような質問を聴講された先生から頂いた事があります。

ワクチンであれば、少なからず副反応はあると思いますが、不妊というのは初めて聞きました。調べてみたいと思います。

初耳でもありましたし、上記のような回答をしたと覚えています。

その後いろいろ調べてみると、『子宮頸がんワクチンは実は不妊を起こすような成分が仕込まれていて、(日本)民族を根絶させて浄化する目的で普及されている』というような説まででてきました。


国内では様々な情報がありますが、

決まって
『アメリカで大変騒ぎになっている』
『アメリカで何万人も被害者が出ている』

と、書かれているサイトがたくさん並び、上記は子宮頸がんワクチンにより不妊になるという人の常套句のようです。

丸で二年前になろうとしている原発事故の際の、放射能騒ぎに関しての様々なデマのようです。

子宮頸がんワクチンの一つであるサーバリックスの販売元だったか開発元だったか、グラクソスミスクライン社が(大騒ぎになっている)アメリカで訴訟を起こされていると言う情報もありませんし、実際に不妊になったという情報もありません。(糖尿病治療薬では大きな訴訟を抱えているようです)

訴訟が日常化しているアメリカで、数万人も被害者がいたら訴訟になると思いませんか?

それが、もっぱら、
『アメリカで大変騒ぎになっている(ようだ)』
『アメリカで何万人も被害者が出ている(そうだ)』
これだけなのです。

横浜市で不妊専門のクリニックを開業されている『産婦人科クリニック さくら』様で、この問題について非常に詳細に書かれています。

ぜひご一読をおすすめいたします。

http://cl-sacra.seesaa.net/article/158783593.html


なお、昨年の夏に我が鍼灸師会での定期講習会で、講師にいわき市の総合いわき共立病院産婦人科部長の本多つよし先生をお招きしました。

その際、講演前の待機時間にこの話を伺ったところ、『デマですから信じなくて大丈夫です(笑)』と、詳しくお話し下さいました。

ただし、原因不明の失神や疼痛など、少ないながらも副反応(副作用)はあるようですので、接種の際にはかかりつけの医師などに説明は受けた方が良いだろうと思います。