福島県白河市の鍼灸院、日常の鍼灸治療の診療日記や、学会参加記、趣味の日記
第2部 『開業鍼灸院における安全・危機管理』
講師:社団法人 福島県鍼灸師会(副会長兼務)
総務部長 中沢 良平先生
さまざまな流派や治療法があって、それを実践する先生方と交流し、有益な情報を交換出来るのが鍼灸師会の良いところでしょうか。
治療法は星の数ほどあっても、基礎医学や衛生などには我流はありません。
鍼灸治療は安全である、副作用がない、と一般的に認識されていますが、それは日頃からの臨床家一人一人にその意識があってのものです。
いかに安全な鍼灸治療を県民のみなさんに提供するか、また安心して治療を受けて頂くか、について我が鍼灸師会の中沢副会長にご講演をして頂きます。
ここで書くべきか躊躇しますが、たとえば背部や胸部に【安全深度以上に】刺鍼して肺までハリが達してしまい、呼吸困難を引き起こし場合によっては生命にまで危険が及ぶ気胸というのがあります。
鍼灸師会の中央の会議に出席すると、毎年けっこうな数のこの事故の話を聞かされます。
恐ろしいことに、この事故を起こす鍼灸師は過去にも起こした事例があるケースが多く、偶発的に起こる以上に臨床家の危険認識が以上に低い事を強く思わせるものです。
私は2代目の鍼灸師で、親の代からは50年、私が引き継いでから10年(私の臨床歴は23年です)ですが、当院ではこの気胸を起こしたことはありません。
しかし未来永劫、この気胸を起こさないかと言えば、その可能性はゼロではないでしょう。
ですから常に危機管理については前向きに勉強したいと思っています。
もちろん中沢先生のお話では気胸以外の内容もお話し頂きます。
開業されている先生、また開業を目指す先生、学生の皆さんは必見だと思います。