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不妊治療について思うこと

毎日不妊症の患者さんの治療を行い、感じることがあります。

今は書籍も良いものが多くあり、またネットの利用で気軽に最新治療の現場をのぞけるようになりました。
大変便利で喜ばしいことなのでしょうけども、どうかすると情報の一人歩きを感じることもあります。

難解と思えるホルモンの名前や正常値、異常であった場合考えられる疾患名や、それについて使われる薬剤。周期によって使い分けられる薬剤や注射など、調べる気になればすぐ調べられるような環境です。

患者さんもいろいろご自身について調べることもあるでしょう。

鍼灸治療は、あらゆる治療を行っても良い結果が出なかった方がいらっしゃるような印象があります。
以前は採卵の段階でよい卵胞がたくさん採れたのに・・・とか、受精後は杯盤胞まで良く育ったのに、とおっしゃる患者さんが多くおられます。

歳を重ねれば条件が悪くなるので、もちろんそう言ったこともあるでしょう。また治療歴が長くなれば薬剤による体への負担が積み重なるので、そうなっていくのかと思います。

日々が経過してゆくとまた焦ることもあると思いますが、思い切ってすべての治療を中断して体を休ませることも必要な時があるのではないかと思います。もちろん鍼灸も含めて。

しばらくのんびり不妊であることを忘れて、ごく普通に生活され、また気になれば治療に復帰されるとよいと思います。

今まで治療を行ってきたケースでは、クロミッドなどによる卵巣刺激を行いながらタイミング療法を行ってきた方がしばらく治療を中断し、その間鍼灸を続け、またクロミッドなどによる治療を再開したら、その最初の周期で妊娠した、とう方が多くいらっしゃいます。

長くなる道のりかも知れません。
だからときどき休息も必要だと思います。