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冬季学術講習会

去る11月25日(日)に、所属する鍼灸師会で冬の講習会が開催されました。
この日は、第一部が福島県立医科大学整形外科学准教授の矢吹省司先生。



第1部 午前10時30分〜12時00分(学術部主催)
   「頸椎疾患による神経障害と内視鏡視下手術」
         講師:福島県立医科大学整形外科
            准教授 矢吹 省司 先生



我々鍼灸師になじみが深い『肩こり』について、医大の全女性看護師への膨大なアンケートや、会津高田町(現在は会津美里町)の住民に対するアンケート、また本会会員の鍼灸治療院へ依頼して回収したアンケートから統計処理し、さまざまな原因から『肩こり』を考察した貴重な報告からはじまりました。

またむち打ち症から脊髄疾患、特に最近話題となっている低髄液圧症候群のお話しでは、診断から自己血パッチを使った治療法まで貴重なお話を伺えました。

矢吹先生のグループによる、世界初となった頸椎の内視鏡手術の話では、手術時の様子を動画で見させて頂きました。
脊椎の手術というと大手術をイメージしてしまいますが、矢吹先生の行った内視鏡手術では、出血量も数CCと少なく、またその傷も目立たないくらい小さいもので大変驚きました。

今回、鍼灸師を対象にした講演と言うことで、特に矢吹先生は鍼灸治療などの適応の範囲、また専門医の受診をすすめる段階での患者の症状(頸椎症・脊髄症で)を取り上げて頂き、大変勉強になりました。

さらに、我々鍼灸師が毎日の臨床に使える診察法として、10秒間手指を屈伸させる10秒テストや、打腱器をつかった腱反射テストなどをわかりやすくお話し頂きました。

このように最新医学をお話し頂く一方で、我々開業鍼灸師としてあすから使える情報も学ぶことができ、大変充実した内容の濃いご講演でした。


第2部 午後1時30分〜3時00分(青年部主催)
   鍼灸院経営の新しいコンセプト」
         講師:鍼灸サロン 一休
         (有)インペリアルプラン 代表 
             院長 粒来 和正  先生




第二部は、青年部との共催企画で経営を取り上げました。
講師は本会青年部でも気鋭の粒来和正先生です。

粒来先生はいわき市で鍼灸院を開業する傍ら、スポーツ鍼灸専門のクリニックを開設されたり、また異業種ながら駄菓子屋の経営にも乗り出すという異色の先生です。
しかしながら、ユニークな発想やエネルギッシュな活動には目を見張るものがあります。

今回の粒来先生のご講演では、自身の経営する鍼灸院から成長し、介護保険施設を立ち上げられたこれまでの道のりをお話し頂きました。
また後輩である若手鍼灸師や鍼灸学校学生に対し、『磨かれる術は後世に伝えられるべき。鍼灸院やその鍼灸師の技術は存続し続けなければいけない』と言葉を結んでおられました。