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不妊症の患者さんたち(7) 患者さんからのメール(その1)

バタバタしていて、だいぶ穴を開けてしまいました。

不妊の患者さんは、どこの鍼灸院でも割合多く来院されているのではないかと思います。
ずっと前の記事でも書きましたが、20代の不妊で来院する方は少なく、当院での多くは30代半ばから、40代初めくらいまでの方がほとんどです。

基礎体温をみて、また脈状やお腹の状態(腹診して)、肩こり・腰痛・冷えの状態など、、そういった体の状態を見ながら治療方針を立てます。
冷えが強い患者さんには、特に気の巡りから血の巡りの改善を促すような治療を行い、通常であれば更年期を迎えられる30代後半であれば、卵巣の状態に関連して現れる反応点(痛みや体表の特定の部位に凹みとなって現れやすい)にハリや灸を行います。

患者さんの年代が高齢妊娠傾向にあることから、一般的に不妊の鍼灸治療も数ヶ月〜1年くらいの中期・長期に渡ることが多いようです。

これまでブログに書いた内容は、ご懐妊された方のお話し、また排卵がなかった方が、鍼灸を行うと排卵するようになったとか、振り返ってみると成功例・経過良好なばかりが目立つ書き方になってしまっています。

100%の効果を保証できるわけでもありませんから、患者さんの中には、効果が思わしくなく、治療を中断されている方もいらっしゃいます。大変申し訳なく思う一方で、不妊の治療はのんびり数年もかけて行う気でいる訳にもいかず、それは致し方ないことだと思います。

私の方でも効果が思わしくない場合などは、微妙に治療方針を変えてみたりします。それでも治療に行き詰まることがたびたびあることが現実です。

30代はじめの女性が昨年12月中頃くらいから来院していました。主訴は生理不順(ほぼ無月経状態)。当院に来院する2年ほど前に、やはり生理不順で病院にて治療を受けていたらしいが生理が非常に揮発になってしまい、結婚後このままでは子宝に恵まれないと考えて来院されました。

BBT(基礎体温表)を確認すると、低温期(卵胞期)と高温期(黄体期)の区別がつけにくい状態でした。高温期がはっきりと分かる周期もありましたが、何となく体温が上昇しているだけで、明確な上昇ではありません。

脈状を診てお体の方も診させて頂くと特、腰部、特に仙骨部正中に圧痛があり、左右の志室付近に大きな筋肉のコリがありました。また右>左のとうりに肩こりがあります。

腹部は、下腹部に柔らかい弾力があれば良好ですが、全体的に薄い皮下脂肪の下は堅く、子宮部の直上、右の卵巣部の直上は特に硬さがある(空気を入れた風船のような)ように感じました。

この患者さんには、
1)子宮の発育が未熟な場合が考えられる。
2)卵巣のまわりも張っているので、働きが悪いようにも感じる。
3)そもそも性周期は脳下垂体などから由来するホルモンの働きによってコントロールされるので、ストレスなども原因になりやすい。あなたの体の状態を診させてもらえば、コリや硬さから慢性的なストレスに晒されている、と考えられる。

このように説明して週に一回程度の治療を開始しました。

(つづく)