No.656の記事

第43回東北鍼灸学会(1)

9月5(土)、6(日)の二日間にわたって開催された第43回東北鍼灸学会に参加してきました。

その模様を書いていきたいと思います。


会場となった松島温泉一の坊



写真では一角しか撮影できないほどの巨大な高級温泉ホテルでした。

この日は日がいいらしく、結婚式を挙げられているカップルの姿も数組見かけました。



学会は正午から始まりますが、11時から学会理事会が開催されました。本県からは安斎会長(二本松市・廣進閣鍼灸院)と中沢副会長(郡山市・一寸法師ハリ治療院)、佐藤副会長(矢吹町・あけぼの鍼灸院)が理事として出席しました。
来年この学会は郡山で開催されるので、私はオブザーバーとして出席させて頂きました。




各県の先生の一般口演で、本県からは郡山市の太田整形外科クリニック勤務の白井先生が『骨粗鬆症に対する鍼灸治療の一症例』を発表されました。

腰部脊柱管狭窄症として治療期間中に腰椎圧迫骨折をされた女性の症例で、基礎疾患として骨粗鬆症を持っていたケースでした。

私はこの発表の時、座長をさせて頂きました。
自分の発表ではないのですが、やはり少々緊張します(汗)



ほか各県の先生方の発表で興味深かったのは、山形の奥山千晴先生の『古典を取り入れて治療に生かした不妊症の治療』でした。



体外受精に臨んで採卵を行うもなかなか発育卵胞が出来ず、鍼灸を5ヶ月行うことによってよい卵胞を得られ、その結果体外受精に成功した47歳の症例の発表でした。

治療に異論は全くありませんが、卵巣の予備能から考えると一般的には47歳という年齢は大変難しいケースであったのではないかと考えます。


もう一例興味深かったのは、青森の三戸先生の『三陰交への円皮鍼が月経困難症に与える影響について』です。



月経予定日の7日前から三陰交へ円皮鍼を貼り付ける、というシンプルな治療ながら月経随伴症状についてはMDQ,下腹部痛についてはVASを採用して評価した客観性のある研究でした。

(つづく)