No.569の記事

こうすけくん

厳しい現実ですが、

子を授かりたくて当院にいらっしゃる患者さんのすべてにお子様が授かるわけではありません。

鍼灸単独で、または産婦人科の高度な生殖医療と併用してかなりの長期に渡って治療を熱心に続けても、報われずに夢破れて去ってゆく患者さんが多いのも現実です。

来院されなくなった患者さんのことは、術者として忘れ得ぬものとして、長く時間が経過してもときどき思い出します。

自分の力量がもう少しあったら、とか、もうちょっと勉強していたら、あの患者さんの力になれたのでは、と、そんなときはいつも反省しています。

ある日、郵便受けに華やかな封書が入っていました。

差出人は・・・

遠いところから昨年7月半ばまで通院されていた女性でした。今でも最後の治療が終わって帰るときの、寂しそうな、作った笑顔が思い出されます。

分厚い封筒にも、あまり良くない、ある覚悟を決した文がしたためられているのかな、と思って、帰り道のクルマの中で恐る恐る開封してみました。



なんと、生まれたばかりの男の赤ちゃんの写真が入ってました・・・

添えたれた手紙によると、今年6月に出産された,と言うことですから時期的には当院の治療を中止してそれほど経っていない時期に妊娠されたようです。

基礎体温を測ることをやめ、鍼灸もやめ、それでも遠く離れた病院での治療だけは、細々と続かれれていたと手紙には書かれていました。



1枚目の写真裏には、子宝を望んでお苦労されている女性へのメッセージが書かれていました。

赤ちゃんが欲しい女性へメッセージ
『結婚16年目で赤ちゃんを授かりました。
諦めたくないと思ったら諦めないでください。
自分を信じて今できる事を努力して下さい。
願いは叶います。』


この患者さんのことも、今頃どうされているか、ときどき思い起こしていました。

これからは、赤ちゃん元気かな?と、良い方で思い出させていただきます。


※患者さん自ら、『ホームページへの掲載』を承諾されておりますので、メッセージや写真をそのまま掲載させていただきました。

※手紙を下さった元患者様へ、
涼しくなったらぜひ遊びに来て下さいね。