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第6回公益社団法人日本鍼灸師会全国大会講演記(2)

<大会二日目10月11日>



(会場である、京都テルサ)

 大会二日目、と言うことは講演を行う日。
 朝9時から講演開始で、修了は12時。実に3時間という長丁場です。



(左・私、右・中村先生)

 私と中村先生のそれぞれ50症例の中から3症例ずつがピックアップされました。50症例のうちどれが選ばれても発表できるようにすべてプレゼンのファイルを作っておきましたが、私の症例では体外受精のアシスタントで鍼灸が役立ったというような症例より、難治なケースでの自然妊娠に票が集まったという印象がありました。

 最初から症例発表を行わず、まず最初に座長の秋森先生が不妊症の疫学や定義をお話しし、私が『基礎編』と名付けて不妊症の簡単な説明を行いました。

 おもな不妊症の原因について触れ、つづいて中村先生が最新の不妊治療のトピックスを話してから症例発表に入りました。

 会場は168席の中規模の会議場と言ったところでしたが、予想以上に聴講者が入り、補助椅子を通路に並べたり、また開始後からは立ち見が出たりと会場は聴講者がぎっしりと詰まりました。

 受付でカウントしていたセクション責任者の話では、入れ替わりがあったが300人位は聴講者があったとの事でした。



 開業の傍ら、京都でも随一の高度生殖医療を行うクリニックの中で鍼灸不妊外来の担当もしている中村先生

 特殊な症例があったりその病態の把握はやはり鍼灸師離れしていました。かたや私は一介の田舎の開業鍼灸師。専門医に患者さんの精査や加療の依頼はすれど、ごく一般の鍼灸院の代表。しかしながら難治性不妊、特に原因不明症例での自然妊娠には、自分なりにその治療哲学は持っているつもりです。それを話す時間もたくさんあったので、思いっきり持論を展開させて頂きました。
発表後は多くの質問がありました。

 覚えているだけのもので、年単位での長期治療例が多く、なぜ長期間治療できるのか? PCOSの患者さんを扱っているが、治療期間の設定や生活指導はどうして「るのか? 妊娠後、流産予防の治療は不妊の治療とどう違った治療を行うのか? など即答出来かねるような高度な質問も多く、不妊治療については詳しい先生が多く聴講していた印象がありました。

 私のあとは中村先生の3症例の発表があり、中村先生もご自身の症例を紹介するにあたり、最新の生殖医療の知見を交え、力を込めてお話ししていました。そして3時間という長丁場もあっという間に過ぎて座長の秋森先生の結びのお話で講座を無事終える事が出来ました。

 中村先生と3時間にも及ぶ、しかも症例を前日に選ぶという前代未聞の講演も、不妊治療について豊かな経験のある秋森先生が座長であったから実現できたのかもしれません。



(座長の秋森先生)

 講演が終わって会場から退場になっても、最後まで会場に残っていてくれたのは以前に青年部委員会で委員をしていた仲間の先生たちでした。
 聴講者が多くて気がつきませんでしたが、旧い仲間に見守って頂いて、無事講演を終える事が出来ました。

 往路と違い、帰りは新幹線。京都から東京までは“のぞみ”で。東京〜新白河までは“やまびこ”。

 帰りの京都駅で座長の大役を務めて頂いた秋森先生と、近藤前日鍼会青年部長の3人で鰻屋で乾杯したせいかアルコールが廻って寝っぱなしで帰ってきました。

 大阪〜京都〜滋賀と急ぎ足で巡り、ホテルに缶詰になった事しか覚えていませんが、このときの講演の内容についての質問が今でも時折電話で来る事があります。

 特に講演から1ヶ月も経った頃、山口県鍼灸師会の橋本副会長からはたくさんの質問をいただき、よくも講演の内容を覚えていたものだとびっくりしました。

 それなりに聴講者のみなさんの印象に残ったのでしょうか。

(終わり)

こちらにも簡単な講演記があります。

http://www.sanpei89in.com/diary/diary.cgi?no=793

おまけ画像:



新・都ホテル 陽明殿のフレンチ・・・しかしお刺身。
学会一日目の懇親会にて。
 
 


同じホテルに宿泊していたゾマホン氏。
デジカメを取り出せず、去ってゆく姿を携帯のカメラで。
 
 

 
ゾマホン氏に声をかけてゲットした冊子(ゾマホンの教育熱心・篠原先生がいただいた)