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第6回公益社団法人日本鍼灸師会全国大会講演記(1)

昨年10月9日・10日の二日間に渡って京都で開催された第6回公益社団法人日本鍼灸師会全国大会で不妊症で講演させて頂く機会がありました。

思えば丸一年かかって準備したり、たくさんの方たちに支えられて実現した思い出深い学会での講演となりました。

鍼灸師会の会報に投稿した内容を、一部手直しして何部かに分けて掲載いたします。

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<大会前日・10月9日>
 『関西へ学会などでお越しの際は、ぜひ寄ってください』と、懇意にしていただいている滋賀県栗東市で開業している産婦人科の千葉隆史先生の数年越しのお誘いで、大会前日に大津のプリンスホテルで会食する事になっていました。そのため前泊で大阪〜京都経由で滋賀県の大津市を目指します。

 昼まで仕事をして、福島空港から午後3時半発のアイベックス航空78便に乗り込みました。



 秋の三連休の初日、50席の小さなジェット機は満席でした。小雨の福島空港を軽やかに離陸し、一路大阪・伊丹空港を目指します。天気が良ければ富士山くらい見えるか・・・と期待しましたが、道中の窓から見える景色は雲の中で真っ白け・・・まるでこれからの講演の行く末を暗示しているように思えました。

 講演の打診があったのは、第5回大会(東京大会)の時。以前から親交のあった京都の中村学術部長と京都府師会専務理事の熊野先生から、『京都大会のテーマは“鍼灸だから治せる”なのだけど、不妊症でうちの中村先生とどうかな?』と声をかけられたのがはじまりでした。

 翌年の春くらいから、講演の内容についての具体的な話し合いがはじまりましたが。私と中村先生のダブル講師で3時間の講演。
 
 おのおの妊娠症例を50症例ずつピックアップし、その中から講演前日に聴講者に聞きたい症例を選ばせて数例を発表するという前代未聞の講演として企画が出来上がりました。

 このようなやり方が果たしてうまくいくのか・・・参加者でごった返す会場でどうやってアンケートを取るのか。そんな心配から今飛んでいる空同様にまったく何も見えません。


(まさに五里霧中の雲の中・静岡上空)

 講演は大会二日目で、その前日に会場で症例一覧を掲示してアンケートを取るという事になりました。さてそんなギミックがうまくいくのでしょうか・・・などとうつらうつらまどろみながら考えていると、定刻通りの夕方5時に機はやはり小雨模様の大阪国際空港(伊丹)に到着しました。

 大阪・伊丹空港からはリムジンバスで約1時間揺られて京都駅へ。そこで産婦人科の千葉医師と面識のある中村先生と合流して、電車で大津へ向かいます。

 大津プリンスホテルにて先に来て待っていただいていた、ちばレディースクリニックの千葉隆史院長、事務長さん、助産師さん、看護師さんなど、なんと総勢6名での大接待。『千葉先生、今日はずいぶん前から楽しみにしていたんだよ』と中村先生に耳打ちされ、大変恐縮しました。

 また今夜の夜間分娩になるかも知れない患者さんが入院しているそうで、急遽代診の先生を一人お願いしてきたとか・・・。頭が下がりっぱなしでした。地上36階から夜の琵琶湖を眺め下ろし、松茸や落ち鮎の京料理をいただきながらの会食は楽しく、千葉先生からは産科にまつわる興味あるお話しをたくさん聞かせていただけました。

 千葉先生はもともと大手電機メーカーのサラリーマンだったそうで、途中から医師を目指した異色の先生です。言葉もあまり多くないどちらかと言えば寡黙な印象がありますが、とても心の広い、そして産科医療には絶対的に必要な優しさを持った先生です。

 また綺麗どころばかり集めて下さったような事務長さん助産師さん看護師さんなど、気遣い上手で知性が感じられ、千葉先生を囲む雰囲気も温かでした。
 良いスタッフに恵まれている千葉先生のクリニックで分娩されるプリママさんは幸せだな、と思いました。
 


(ちばレディースクリニック・千葉先生、職員のみなさま。背景は琵琶湖)



(個室の窓から携帯で撮った琵琶湖の夜景)



(つづく)