福島県白河市の鍼灸院、日常の鍼灸治療の診療日記や、学会参加記、趣味の日記
残暑キビシイ一日でした。
今日は盆明けとあって午前中は大忙し。
予約を頂いていた患者さんにはご迷惑をおかけいたしました。
朝一番は、毎度バイクで通院されている下肢痛の患者さん。
2番手は人呼んで『不死身の魚屋さん』。脳出血・半身不随・復活・魚屋さん営業再開・富士山登頂・スイス、マッターホルン登山(麓まで)と、この魚屋さんについてはいろいろとドラマがあるので、次の機会にでも書いてみたいと思います。
午後からは通常通りのんびりと診療しました。
夕方からは、金曜恒例の往診2軒。
このうち1軒は、脳梗塞後遺症で半身不随のおばあさん。もう一軒は心臓ペースメーカー装着で、外出もままならない膝痛・腰痛のおばあさん。
一般的に、高齢の方、特に女性は冷えを異常に嫌います。
往診先の2軒のおばあさんも冷えを嫌います。
1軒目は平屋の隠居に住んでいる方で、夕方に往診に行っても室内は大変な暑さ。それでも『暑い』とは一言も漏らさず、パジャマの上に綿入れはんてんなどを羽織っています。
この暑さですから、治療する私も身の危険を感じながら治療しています。
2軒目。
この往診先の患者さんは、山奥深い所に住んでいらっしゃいます。地理的には、旧大信村、羽鳥湖のすぐ下と言ったところ。
不整脈があって、先代の当院院長が指摘し、専門医でペースメーカーを装着したという患者さんです。
住んでいらっしゃるところは山奥深く、家の前には渓流が流れ、この時期でも暑くはないのですが、別な意味で身の危険を感じます。
患者さんの家に着きます。
車のエンジンを切り、降ります。
エンジンを切ったとたんに、渓流のせせらぎと風の音。漆黒の闇と静寂が訪れます。
家の玄関前に繋がれた犬は、毎週往診しているせいでおなじみさんになっているので、いつもは尻尾を振りますが・・・
漆黒の虚空をにらみながら
犬『ガルルルルルル・・・』
と唸ってます。
不審に思いながらも、玄関をくぐり、患者さんであるおばあさんに訊きます。
私『おかしいね。いつもならおとなしいのに、今日は唸っているよ。』
患者さん『ここ数日、トウモロコシ畑と田んぼ(餅米)が熊に荒らされていて、すぐ近くに熊がいるようだ』
私『・・・(汗)』
患者さん『先生も、帰りに襲われないように気を付けた方が良いよ』
この患者さんの家のまわりは自然が豊かで、
『熊に畑を荒らされた』
『この前は猿が日向ぼっこしていた』
『カモシカが田んぼの畦で昼寝していた』
『この先のジャガイモ畑が、イノシシにやられて全滅した』
こんな話を毎回のように聞かされてます。
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田舎の往診も命がけです。