不妊症

不妊症の患者さんたち

昨年12月に一人、今年1月に一人ご懐妊となった当院の患者さんたち。
今まで当院にいらっしゃった患者さんを振り返ってみると、35歳以上の高齢(一般的な高齢ではなく、妊娠・出産では高齢にはいるという意)の方がほとんどです。

35歳以上でも、ほとんどは40歳前後の方たちばかり。
今現在通院されている患者さんでの最高齢は40代後半の方です。

40歳代後半の方をちょっと書いてみます。

この方はご結婚が大変遅く、40代半ばの時に結婚されました。
特に生理不順があったわけでもなく、不妊というわけでもなかったそうですが、高齢出産になるので少しでも早く妊娠する必要を感じ、卵巣刺激+排卵誘発のホルモン治療を行ったそうです。

年齢的にそういった治療は体に対する負担も大きく、その後無排卵や月経周期が大きく崩れだし、鍼灸治療をはじめられました。

昨年の夏過ぎくらいから治療をはじめ、2ヶ月位した頃からE2値とFSH値の安定がみられるようになり、卵胞の発育も確認できるようになりました。

実際に排卵があったり、嚢胞で終わってしまうようなこともありましたが、今日2ヶ月ぶりに来院して確認した基礎体温表には、(22φ、8φ、AIH)の文字がみられました。
22ミリ、8ミリの卵胞が確認でき、AIH=人工授精を行った、ということが読みとれます。

基礎体温表には、性交の有無や月経の状態などを書き込めますし、患者さんによってはホルモンの検査値や注射・薬の処方まで書き込んで、さながらカルテ=診療録のようです。

丸2ヶ月以上も鍼灸治療は行っておりませんでしたが、遠方から通院されていたため、自宅でお灸が出来るようにツボに印を付け、お灸のやり方を教えておいたのが良かったのかも知れません。この患者さんは、ほぼ毎日お灸をされていたそうです。

『おかげさまで、最近は排卵が確認できるようになりました』『産婦人科の先生も、体を気遣って弱めの薬で治療してくださってます』と明るく話す患者さん。
良い産婦人科の先生におかかりになり、また毎晩まじめに自分でお灸を行うといった行為が天に通じたのかも知れません。

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)だった患者さん、その後(2)

いつも金曜日夕方にいらっしゃるその患者さん、いよいよご懐妊となりました。

初診は9月30日。通院は週に一回。

本日夕方に来院し、『先生、赤ちゃんができました』とにこやかにご報告されました。

PCOSが改善し、基礎体温も綺麗な2層性となってきました。その後成熟卵胞から排卵まで確認できるようになった12月あたりから、そろそろでは?と思っていたのですが、こんなに早く吉報を聞かせて頂けるとは、、とても感激しました。

今日は治療はしないでお帰り頂いて、次回は妊娠中盤くらいになってから、安産の鍼灸を行う予定です。

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)だった患者さん、その後

以前、12月13日の日記の後半で書いた、生理不順で当院に通院していて、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)であることが判明した20代の患者さん。
その後も順調に来潮し、卵胞の発育も正常になってきました。

通院当初から、鍼灸治療は週に一回のペースでまじめに通院されています。

PCOSであると判明した17年10月28日(D13)では、
・左右とも卵胞多数(嚢胞=空胞ですね)、
 そのうちの主席卵胞は左右とも10ミリ以下、
・子宮内膜の厚み9ミリ   でしたが、

  ↓    ↓

17年12月3日(D13)
・右卵胞14ミリ
・子宮内膜の厚さ7ミリ
(ほか、未熟卵胞や卵胞嚢胞は不明=たぶん問題ないと思われます)

  ↓    ↓

17年12月6日(D16)
・右卵胞19ミリ
・子宮内膜の厚さ12ミリ
・排卵を促すHCGを注射

  ↓    ↓

18年1月4日(D15)
・右卵胞18ミリ
・子宮内膜の厚さ9ミリ
・D17で排卵を促すHCGを注射

このような状況で推移しております。
この患者さんは、高プロラクチン血症があったため週に1回1錠だけカバサールを現在も服用しておりますが、卵胞〜卵子の発育機序や排卵の改善に鍼灸治療は効果があったものと思います。