福島県白河市の鍼灸院、日常の鍼灸治療の診療日記や、学会参加記、趣味の日記
今年は少し早めに蒔いた原坊の朝顔。
8月半ば過ぎから咲きはじめ、ただいま満開になりました。
当院の患者さんのほか、不妊鍼灸ネットワークの皆さんにお配りし、みなさんから『咲いたよ〜』とご報告を頂いています。(唯一、中村会長だけ咲いてないみたいですが・苦笑)
東京のアキュラ鍼灸院では、なんとタネのアシストハッチングまで行ったという。。(笑) さすが!徐先生!
多発性円形脱毛症(重症例)での鍼灸治療の効果の続報と、治癒終了までかかった鍼灸治療の費用をまとめてみます。
症例はこちら↓
初診時〜治療12回時(28日間)
http://www.sanpei89in.com/diary/diary.cgi?no=817
初診時〜治療30回時(約3ヶ月後)
http://www.sanpei89in.com/diary/diary.cgi?no=842
<初診時 平成23年1月12日>
<第12回時 平成23年2月8日>
<第30回時 平成23年4月20日>
<第72回 平成24年3月12日>
その後、24年8月末まで約6ヶ月間経過を観察し、再発が一切ないことから治癒と判断しました。
治療費に関しては、この患者さんについては治験のボランティアとして協力していただいたので無料でしたが、当院の標準の治療費として計算してみました。
当院の円形脱毛症の治療法は2つあり、
1)多発性や汎発性、蛇行性などの悪性度が高い脱毛であっても、患部の治療だけでよい場合で週に2回以上通院できる場合は1回で2000円となります。(治療時間は10分くらい)
2)脱毛以外に症状があって、その治療が必要な場合、または週に2回以上通院できない場合は患部の治療に加え免疫改善処置を行いますので1回3800円となります。(治療時間はおおむね1時間くらい)
この症例の治療は1)で1回が2000円となります。治癒までに72回の治療を行いましたので、
2000円×72回+1000円(初診料)=145,000円となります。
円形脱毛症についての鍼灸は、確実な効果もあり、実に安価な治療法だといえます。
ここ最近、産後の腰痛を訴えて来院されるママさんが多いようです。
当院では、産後の骨盤付近の痛みを訴える患者さんに対して、鍼灸にプラスして骨盤矯正を行っています。
約10ヶ月間、だんだんとお腹が大きくなり、それにつれて腰に痛みを感じ始め、出産により一気に腹圧が解放されると、骨盤や腰椎には大きなストレスが加わります。
出産後に腰痛を訴えていらっしゃる女性を診察する際、いわゆる骨盤を構成する腸骨の押し開きテストや、圧迫テストを行うと、意外にも痛みの誘発がない方が多く、これが陽性で、妊娠・出産によって腸骨と仙骨をつないでいる仙腸関節の異常によって引き起こされている腰痛であるケースは、大変少ないようです。
患者さんの訴えをよく聞いていると、その場所の痛みは妊娠前から、また多くは結婚前からあったと言うのが大部分です。
注意深く腰椎を観察していると、第5腰椎付近に微少なズレを触知することもおおく、これは妊娠や出産によって腰椎がずれたものでもなく、多くは遺伝的にもともと弱点としてもっていた体質のようなものだと言えます。
一方、妊娠によるお腹の成長は腰椎に大きなストレス、筋肉を含む軟部組織の過労を生みます。
これは出産後、すぐに回復するというものでもなく、大部分のママさんはその後の授乳姿勢、夜間の頻回の授乳などの過労を経験することとなり、もともと痛みが出やすかった腰に、さらに痛みの原因を溜めていってしまいます。
加えて、子宮の復古が遅い場合、特に悪露が長く続いている場合など、骨盤内の血行が良くないこともあり、これが腰痛の原因の一つとなっている場合もあります。
このように、産後の腰痛については
・もともと持っていた腰痛体質
・妊娠、出産に伴う仙腸関節の回復の遅れ、炎症
・出産後の授乳などによる疲労、ストレス
・子宮復古の遅れなどを含む、骨盤内の血行不良
など、多数の因子が絡む複雑な腰痛であると当院では考えます。
これを、たかだかストレッチに毛が生えた程度の数回の『矯正だけ』で治ると考える事には無理があります。
出産後に強く腰痛を感じるこの時期、同時に頑固な肩こりや頭痛、手の腱鞘炎を訴える方も多く、『骨盤のズレ』以上に、むしろ体全体に疲労の蓄積を感じるはずです。
当院ではこうした産後の腰痛については、骨盤、腰椎の状態を注意深く観察しながら、鍼灸による治療を主にして治療後に軽い骨盤矯正を行っています。
また、母乳の出が少ないママさんには、母乳が良く出るようになる治療も一緒に行っています。