診療日記

ラーメン屋さん

某日昼過ぎ、職場にお待ちかねのお客さんが顔を出す。

昨年の盆過ぎに一時休業のあいさつに来たラーメン屋さんでした。いつも職場で出前を取っているラーメン屋さん。

もうとっくに60を過ぎているラーメン屋の親父さんが、営業再開のあいさつに来たのです。

いつも親父さんがバイクで出前に飛んで歩き、ラーメンなどの料理は店番をしている奥さんが作っているそうでした。

昨年の盆過ぎに、、相変わらずヘルメットを被ったままのラーメン屋の親父さんが憔悴しきった顔で職場に顔を出しました。

申し訳ないが、店をしばらく休む・・・
調理担当の女房が入院することになった・・・
とのことでした。

出前は特に迅速。ラーメン屋さんなのにラーメンよりチャーハンが実に旨い。
当然ジャポニカ米でのチャーハンですが、べとつかず、あっさりの塩味に焼き豚と焦がしネギの香りが絶妙。

今日も相変わらずヘルメットを被って現れましたが、待っていた営業再開のあいさつでした。

日本一旨いチャーハンだと思っていました。
しかし食べられなくなったら一大事・・・これで一件落着。

さて、明日は出前でも取るか。

突発性難聴の患者さん

夏くらいから来院されている突発性難聴の患者さん。
まだ若い女性で、本来なら笑顔がこぼれるばかりに魅力的な年齢のはずだが、表情がちょっと暗い。
当院には元気な方はいらっしゃらないので、当たり前か。

大変ストレスの多い仕事で、それが原因かどうかわからないが、ある日突然強烈な左耳鳴りにおそわれ、専門医の診察を受けると入院を勧められたそうだ。

結局、入院せずに通院して治療を受けるが、強烈な耳鳴りはなくなったものの、持続した耳鳴りを訴えて治療にいらした。

突発性難聴は完全治癒が大変難しい病気で、生命には別状はないが、非常に難病である。

ただいろいろ問診してみると、以前から鼻の具合が芳しくなく、時々詰まったりするという。
また耳鳴りも、詰まった・ふさがった感じを伴うということから、耳管閉塞もあるのではないかと疑った。

肩こりもひどいし、それをあまり意識していなかったりする。

初めて受ける鍼灸治療に不安を感じながらも、週に一回程度を気長に続けるように言うと、仕事の帰りに週に一回程度、まじめに通うようにしていた。

治療を続けると、ときどき耳鳴りを忘れる日が出てきた。また耳鳴りを感じることはあっても、ほとんど気にならないくらいになった、という。

ある土曜日、『友達も連れてきました』と言いながら、体が大きくがっしりした、無口だけど温かそうなオーラを帯びた同じくらいの年齢の、男性を連れてきた。
別にたいした悪いところはなさそうで、軽い腰痛があるくらい。

『友達を連れてきた・・・』とは白々しい(笑)
この日の彼女の脈状はとても潤いのある脈で、またお腹を触っても暖かみがある。

後日、彼女が単独で治療に来たとき、『あの方、友達じゃなくて彼氏でしょ?』と聴くと、恥ずかしそうに頷き、『11月に結婚するのです』と認めた。

その彼女も、状態はさらに良くなり治療は2〜3週に一回くらい。耳鳴りはあるようですが、あまり気にならなくなりました、と、このころはよく笑うようになった。

『新婚旅行でハワイに行くので、飛行機がちょっと心配』と、先週治療にいらしたが、今頃はすてきなご主人と常夏のハワイを楽しんでいるだろうな、と思う。

だいぶ冷え込んだ白河は、昨日初雪だった。

犬の往診(2) ちょっと元気になりました!

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その後、1週間ごとに経過を観察するため、友人のUさん宅を訪れますが、いつもは喜んで寄ってくるはずのアームちゃん、私の姿を見るとなぜかさりげなく逃げていきます(汗)

(私が)来るたびに、体毛を剃られる・・・ 味噌を塗られる・・・ お灸の場所が増える・・・ など、そりゃもう喜んで尻尾を振って寄ってくるわけはないのですが・・・。

それでも初診時に比べると、関節の痛みなどが和らいだようで、歩くしぐさや体の動き具合が良くなったように感じます。

飼い主のUさん夫妻も、『このごろ調子が良くなり、少しずつ活発になってきた』とのこと。

後ろ足の膝関節を触ると、ぶよぶよしたような腫脹もなくなり、しっかりと引き締まった関節になっているようです。ただし変形もあるのか、立ち上がり時などの負荷がかかった時には『ポキ』というようなクリック音が聞こえます。

人間で言えば、肘関節、膝関節の関節隙外側と上腕、殿部付近の筋肉の硬結を探り、そこへの取穴しお灸を行います。

GWが明けたら、また往診に伺いましょう。