福島県白河市の鍼灸院、日常の鍼灸治療の診療日記や、学会参加記、趣味の日記
今年は梅雨明けも遅く、梅雨明け間際までぐずついた天気が続きました。
昨年のお盆に予定していて結局行けなかった北東北へのツーリングを、今年行くことができました。
何回かに分けて旅日記を書きたいと思います。
一日目のコースは、東北道を北上、北上から秋田道に入り、男鹿半島・寒風山をみながら日本海沿いに北上し、青森県に入って十三湖見学、小泊の手前でキャンプするという約700キロのコース。
1日目(8月12日)
白河市〜青森県五所川原市市浦 約730Km
出発は朝の3時半。
帰省ラッシュで、この日は夜半から東北道も激混みだったようだ。
仙台を過ぎて鶴巣SAあたりでの給油と休憩を考えていたが、途中どこのSAも入り口から渋滞していて、給油順番待ちは必至の様子。
秋田道に入れば混雑も少なくなるだろうと予想し、省エネ運転で秋田道まで給油は我慢することにした。
写真は、東北道・三本木PA。トイレと自販機しかないパーキングだが、それでもごらんの通り激混み。
北上ジャンクションから秋田道に入る。錦秋湖SAで一休みと給油。
思惑通り、車がぐっと減るが、それでも駐車場は満杯。軽く朝食を摂ろうと思っていたが、結局売店でパンを一個買って食べてオシマイ。
駐車場の脇にあった看板。『熊が出るので注意』。
秋田道・太平山PAにて。
だいぶ気温も上がり、メッシュのジャケットを脱ぐ。たいしてスピードも出さないので、ここからはTシャツで走ることにした。
1泊目はキャンプのため、積載している荷物も実に過積載。総重量は40キロくらい。それでもバイクが大きいので、一人で乗っているときと操縦性は全く変わらない。
昭和男鹿半島ICで秋田道を降り、寒風山に立ち寄る。どうでしょう?この抜けるような青空!
寒風山山頂付近からは、男鹿半島と日本海が一望できる。
このあとは海岸線沿いに青森県を目指す。
八郎潟を超えたあたりで休憩する。何しろ暑い・・・。道路沿いでババヘラを発見。1個150円と激安。。。前に買ったときは250円だったように覚えていたけど・・・?
国道101号線で青森県に入る。ここは岩崎村の沢辺というところ。このあたりで正午ちょっと前。
青森県に入ると、国道の至る所に清潔なトイレを設置した無料駐車場がある。車でもバイクでも、実にありがたい。
この駐車場の展望台からは世界遺産の白神山地が一望できた。
深浦で地魚の刺身定食を食べ、またひたすら北上。
鰺ヶ沢から津軽半島に入る。
写真は岩木山。北方角からの一枚。
北上するコースからほんの少し外れて海岸線に出ると、最終氷期埋没林を見ることができる。
津軽半島のこのあたりは湿地帯で沼などが多く、地質も泥炭層でできているそうだ。その地下には数万年前の樹木が化石になることもなく、そのままの形で残っているとか。
2万5千年前のものとは思えない埋もれている木の根。
午後3時を過ぎるが気温は相変わらず相当高く、バイクに乗っていても吹き付けるのは温風ばかり。汗で体中ベトベト・・・途中のしゃりき温泉で一風呂浴びることにした。
入浴料は320円。入浴料を払えば大広間での休憩もできるようだ。長旅もはじまったばかりだが、まずは入浴して、テレビなんかを見てしばしくつろぐことにした。ここで高校野球・甲子園大会での福島県代表・聖光学園が一回戦に勝ち抜くことを知る。地元・青森県代表の山田高校も勝ったようで、テレビを見ていたほかの入浴客には大喜びしている人もいた。
午後4時を少し廻った頃、今日の泊地の脇元海辺ふれあいゾーンに到着。
ここは海水浴場にキャンプ場が併設してあり、キャンプ料は無料で、予約しなくてもいい気軽さからここに今夜の宿を予定していた。
目の前は日本海。夕日が見れたらきっと綺麗でしょう。
キャンプ場もまだ時間が早いので、たくさんの海水浴客であふれている。テントを設営する前に、キャンプ場の中にあるレストランでビールでも飲むことにした。
店内に入ると、大きな水槽がたくさんあって、アワビ・サザエ・ホタテ・大きなツブ貝などが格安で料理していただけるようだった。
アワビは小1000円から、特大2500円まで。価格的には通常の半値くらいかな。サザエは・ホタテは1つ250円、ツブ貝は子供の拳くらいあるもので1個85円。しかも調理代込みという安さ(ツブ貝は持ち帰り販売だけ)。
早速、アワビとサザエを1個ずつ刺身にしてもらい、生ビールで一人乾杯。
日暮れ近くなってくると、だんだんと海水浴客が引き上げていく。盆中で混んでいるだろうな、と思っていたキャンプ場だが、だんだんがら空きになってきた。
さっそくテントを設営。一人用のシェルターだが、誰に気兼ねすることもない今夜のお宿。
アワビとサザエで一杯飲んだとき、ホタテ2枚とツブ貝を5個買っておいた。
実を言うと、温泉に入った後に今夜の夕食食材を買い込もうと思っていたのだが、付近にスーパーらしきものはなく、仕方がなくカップヌードルと鯖とカニの缶詰を買い込んでおいたのだが、、、なんとかまともな夕食にありつけそうで一安心。
ホタテは貝殻ごと焼いて、口が開いたとことで醤油を垂らす。ツブ貝は醤油と砂糖だけで飯ごうで煮立てた。しばらく煮て、火から下ろして冷ます。こうすると味がしみて美味しい
できあがった大きなツブ貝。『刺身で食べられるよ』と店の親父さんが言っていたが、確かに食べ応えありすぎ・・・これだけで満腹になってしまう。
ツブ貝を食べながら一杯飲んでいると、缶ビールをたくさん持って60代くらいのおじさんが遊びに来た。『一緒に飲んでいいか・』と聞く人の良さそうなおじさんは、八戸から一人でキャンピングカーを牽いて夕日を見に来たという。
八戸で農家をしているということだったが、盆のこの時期は農業はヒマでも、血縁や地縁の濃厚なつきあいのある農家の方が、ふらりと遊びに来るというのも不思議なものだ。
ツブ貝も一人では多すぎるので、おじさんにすすめた。歯ごたえがありすぎで食べるのに難儀していたが『旨ぇな』といいながら食べてもらえた。
お待ちかね、本日のすばらしい夕日。
夕日、夕陽とどちらも太陽が沈む様子を言うものだが、『夕日』のほうが海に沈む太陽には合う気がする。『夕陽』といえば、砂漠や草原に沈む太陽を連想してしまう。
『海は荒海、向こうは佐渡よ』ではじまる北原白秋の童謡『砂山』は新潟の夕日を歌ったものだが、荒海から連想するのは冬の日本海。しかし歌詞に『茱萸原(ぐみはら)わけて』という一節が歌ってあり、むしろ初夏の頃の情景だろうと解釈されているようだ。
荒れてはいなくてむしろ凪いでいるくらいの海だが、白秋も同じような夕日を見ていたのだろうか。
(つづく)