No.549の記事

高プロラクチン血症・潜在性高プロラクチン血症と鍼灸

正常な二層性の基礎体温になりにくい、生理までの期間が不規則になるなど不妊の原因に挙げられるものの一つとして高プロラクチン血症や潜在性高プロラクチン血症(隠れ高プロラクチン血症)などがあります。

このせいでカバサールやテルロンなどを産婦人科にて処方されている方も多いと思います。

これらの薬はドーパミンの働き不足から起こるパーキンソン病の薬として開発されたものです。
ドーパミンはプロラクチンに対して抑制作用があり、ドーパミンの働きを助けることによってプロラクチン値が下がるのです。

ところで、鍼灸治療はドーパミンの働きに影響があると、2006年11月20,21日に京都で行われた『国際シンポジウム“エビデンスに基づく鍼灸治療の現状”』で、スェーデンのT.Lundeberg博士が講演しています。

・膝痛に対する鍼の効果の一部はおそらく報酬系の賦活による/T.Lundeberg(Sweden)

(当時の矢野全日本鍼灸学会会長の座長報告)

心地よい刺激、デリケートな日本の鍼灸は、こういった効果が期待出来る、と言う内容です。

ドーパミンに対して効果が期待出来るのであれば、当然プロラクチンにも良い影響があるでしょう。

当院の患者さんでプロラクチンに異常があった方を診させて頂くと、あるパターンを、見つけられます。

・胸骨中央の経穴(膻中)に圧痛が現れる。
・背中の中央にある経穴(身柱)に圧痛が現れる。
・特に注目するのは頭皮の浮腫で、あたかもカツラを被っているかのように頭皮が動き、浮腫がよく分かる方が非常に多い。

この三点から高プロラクチン血症や潜在性プロラクチン血症に効果のある治療穴が自ずと決まるわけですが、良い効果があるようです。

話は変わりますが、よく患者さんに『世界で一番鍼灸治療が進んでいるのはやっぱり中国ですか?』と訊かれることがありますが、私は日本の鍼灸治療が一番ではないかと考えています。

鍼灸もグローバルな代替医療として世界に広まっていて、世界規模での学会も数多く開かれています。
そのなかで、国際シンポジウムは第一回が京都で開催際されていますし、第二回国際シンポジウムは今年6月に大宮で開催されます。私も参加したいと思っています。

なお
http://jsam.jp/jsam_domain/18/2006_kyoto/index2.html
このページは学会広報部の仕事として、私がお作りいたしました。