No.692の記事

第5回日鍼会全国大会 東京大会(2)

翌日は、前日鍼会青年部委員の佐竹先生、東京都鍼灸師会青年部の儀間先生の2題の講演で、青年部の経営講座をじっくり聴講しました。



OLから転職し、お母様の喫茶店のとなりにひっそりとベッド1台の治療室からスタートし、いまではスタッフを10名も抱えるようになった福井の佐竹先生の講演は、とても勉強になりました。

経営講座というと、集患とか金儲け的な意味合いで論じられるところですが、やはり多くの患者さんに慕われるという院長力、人間性が一番大切なのだと感じました。



佐竹先生、大変お疲れ様でした。
これからも多くの患者さんに必要とされ、充実した臨床家人生を歩まれることを願っています。

続いて別会場で行われている、一般症例発表を見に行きます。
今日は我が福島県から、青年部の白井和弥先生が『有痛弧徴候が陽性であった(上腕二頭筋)長頭腱炎』(カッコは、長頭腱は大腿にもあるので、略さず上腕二頭筋を入れた方がよいでしょう、とアドバイスしました)を発表されました。

タイトルだけでもツッコミどころがありますが、実際の臨床では腱板炎を思わせる有痛弧徴候をもった方も多くいます。ていねいに徒手検査を行えば行うほど迷う肩関節疾患が多くあります。

好発する年齢をも考慮すれば、単一の疾患だけではなく、2つ3つの病態が複雑に絡まっていることも多いのですから、このあたりをふまえて患者さんに向き合うことが必要だと思います。

また2日間で合計20例の症例発表がありましたが、すべて腰・膝・頚・肩などの整形外科疾患でした。
運営側で整形外科疾患以外の発表にフィルタをかけているとは思いませんが、鍼灸院に来院する患者さんは様々な病状・疾患で来院します。
たとえば不定愁訴や婦人科疾患、不妊症などの症例があって良いのではないかと思います。



白井先生は、見ず知らずの白血病の患者さんに骨髄を提供したドナーでもあります。尊敬すべき人間性をそなえ、学会でも発表されるくらい研究心がある。今後は鍼灸業界を背負って立つ人材だと確信しています。

全国規模の学会での発表の大役を終え、記念撮影で一枚。お疲れ様でした。



午後の講演に入る前に、アキュラ鍼灸院の徐先生の案内で、今日講演した福井の佐竹先生、久保先生、京都の林先生、香川の横山先生と飯田橋の外濠に浮かぶキャナル・カフェでランチを食べに行きました。



秋の日差しを浴びながらパスタを食べ、臨床話に花が咲きました。