No.921の記事

妊娠すると言うこと・鍼灸の不妊治療について(1)

良く電話やメールで、
『いつ(周期中のどのタイミングで)治療をすると、効果が出やすいのですか?』という質問をされます。

hCGなどの注射のように、打って36時間すると排卵するとか、そのタイミングに合わせて治療をすると妊娠しやすいんじゃないか、と、一回ごとの成功率を鍼灸に求めていらっしゃる方が、なかなか多いようです。

妊娠とは、避妊せず正常な性生活を持っていれば、たとえば20代のカップルならば数ヶ月間、長くとも1年で妊娠されるのが普通です。

妊娠しないのには何らかの原因が存在するのですが、専門医の検査でそれが分かる場合もありますが、レーなところがあるとしても確定的なところが分からない場合が多いようです。

排卵障害、黄体機能不全、高プロラクチン血症、卵巣チョコレート嚢種、子宮内膜症、、、卵管の通りが悪い、、(軽度の)乏精子症など、基礎体温をみたり、ホルモン検査などをすればたいてい何かしら引っかかるものです。

はっきりした原因が分からない不妊の方の場合は、たいてい上記の複数の原因が周期ごとに災いしたり、ただ単にタイミングの時期の問題、回数の不足などがあるのではないかと思います。

つまり機能性(はっきりした原因のない、なんとなく体の状態が悪い)不妊が多い中で、鍼灸による不妊治療は、一回ごとの宝くじを買うようなものはなく、地道な一回ごとの治療効果の積み重ねによる体質改善から効果をめざすものだと私は思っております。