福島県白河市の鍼灸院、日常の鍼灸治療の診療日記や、学会参加記、趣味の日記
平成24年から治療法を大きく変え、従来の治療よりもより確実に効果が出ていると考え、下記のように治療の目安を提示させていただきます。
<自然妊娠を目指す場合>
2週で3回以上、1ヶ月に6回以上を1クールとして3クール行い、その後4ヶ月目からは週に一回とします。
<体外受精・採卵成績を改善したい場合>
数度採卵を行っているが、受精卵のグレードが低い、質が悪い、採卵に至らない(採卵するが、空胞や変性卵ばかりなど)などは、↓
2週で3回以上、1ヶ月に6回を1クールとして4クール以上行います。
4クールあたりから基礎体温などが改善してきますので、そのころから採卵を考えてみてはいかがでしょう。
※24年以前は、週に1回の治療で7ヶ月〜8ヶ月以上の治療が必要と考えていました
24年からは治療法の大幅な改善を行い、上記の頻度・期間で治療を行うことによって、FSHやAMHなどの卵巣機能・卵巣予備能に関するホルモンが改善する方が多く、卵巣機能改善には上記を目安にしました。
<体外受精・胚移植の予定がある方>
初めての胚移植の場合は2週で3回以上、1ヶ月に6回1クールを1クール以上行います。(それまでの治療歴や成績によって大きく変わります。
数度の移植で妊娠に至らなかった場合、子宮内膜が薄いなどの原因がある場合は、2週で3回以上、1ヶ月に6回を1クールとして、3クール以上行います。
<無事、着床・妊娠された場合>
妊娠12週までは週に1回、それ以降20週までは2週に1回の治療をおすすめいたします。
※流産はその原因の7割が染色体異常によるものと言われており鍼灸は無効です。
ただし、残りの3割の原因に不妊の原因にもなっていたホルモンのバランス不良やストレスがありますので、鍼灸は有効です。
※妊娠後はつわり等も起きてきますし、遠方からの通院ですとそれ自体がストレスにもなりますので、その場合は提携先鍼灸院での治療を行っていただいたり、自宅でのお灸をすすめる場合もあります。
<習慣性流産・不育症>
週に1回以上、1ヶ月に4回以上を1クールとして、3クールの治療を行います。その間は避妊されることをおすすめいたします。(血液凝固第]U因子以上や、転座などの染色体異常などの先天的な原因がある場合はこの限りではありません)
また妊娠後は、妊娠12週までは週に1回、それ以降20週までは2週に1回の治療を強くおすすめいたします。
<提携先鍼灸院>
※患者さんとご相談の上、カルテや治療技術を含む診療情報の交換、共同治療も可能です。
県外 不妊鍼灸ネットワーク会員鍼灸院
http://www.kodakara.org/members.html
県内 いわき市 はりきゅう・はしもと 橋本修一先生
http://www.hariq.net/d_search/detail.php3?id=2274
いわき市常磐湯本町三函183-4
電話 0246-44-3246
本宮市 心和堂はりきゅう院 矢吹 淳先生
http://shinwado89.com/
本宮市荒井字東畑55-6
電話 0243-34-3178
寒かったり、温かくなったりしながらも、今日は風もあまりない穏やかな春の陽気となりました。
すでにいろいろな学校の入学式などがあちこちで開催され手てりますが、当院では今日卒業式を迎えられた妊婦さんがいらっしゃいました。
震災直後に遠いところから福島県内に転居し、当院に不妊治療に通い始めました。
39歳で無事妊娠し、ご出産されるのは40歳の誕生日を迎えてから。
きっと丈夫なお子様をお生みになることと思います。
3月31日の日曜日は、楽しみにしていた不妊鍼灸ネットワークの名古屋研修でした。
不妊症治療では日本の先駆けとして広く知られている名古屋の明生鍼灸院。
当院の治療で、子宮内膜改善に関して、卵巣機能の改善に関しての治療では大きな影響を頂いています。
この会に入会して(ちなみに副会長です!)得た情報として上記の2つの手法は非常に大きく、当院でも卵巣機能低下による体外受精での採卵成績低下、また子宮内膜の状態が悪い(質が悪い、薄い)などによる妊娠率(ARTでの成績が悪い)などの患者さんでは非常に良い成績が出てきています。
もちろんこの手法は自然妊娠でも非常に役立つ方法で、すでに当院で実践している方法が間違っていないか?と、実際に治療を体験する非常に大切な目的がありました。
写真は、明生鍼灸院副院長・木津先生から直接手ほどきを受ける、奥から山形市の麗明堂鍼灸院の五十嵐院長と、気仙沼市・潮見治療院の阿部院長、北海道
旭川市・ナチュラリー針灸院の浜口院長。
午前中の座学により、明生鍼灸院での不妊症治療の基本コンセプトと治療の変遷を学び、午後からは基本治療とお目当ての中膠穴刺鍼法、陰部神経刺鍼法を学びます。
特殊な刺鍼法と刺入後の鍼の操作は、やはり実際に体験しないと会得できませんが、すでに当院で行っている上記2法は間違っておりませんでした。
横浜のせりえ鍼灸室院長の小井土先生からは、妊娠中のトラブルとして腰痛に関して講義していただきました。
福島医大の菊地整形外科教授(現在は医大理事長)が腰痛の大規模疫学調査として行った南会津スタディのデータと比べての内容は非常に興味深く、骨盤輪のゆがみは妊娠初期から起こるそうで、当院でも注意して観察してみたいと思いました。
アキュラ鍼灸院の徐先生からは、BMIによる肥満・普通・痩せ型の分類での鍼灸治療開始から妊娠するまでの期間についての研究発表がありました。
痩せは基礎的なエストロゲンが不足しやすく、そのための排卵障害が起こりやすく、月経の周期異常から不妊の原因になることがあります。
一方、肥満は慢性的なエストロゲンの過剰状態が起きやすく、あたかもピル服用のような排卵障害が起きることも多く、痩せと同様の月経異常から不妊の原因になることは以前から指摘されています。
研究からは、痩せよりも肥満のほうが妊娠までの日数が長いことが分かったそうで、肥満の方はダイエットをするなどが必要なようでした。
今年度の研修会は、24年5月に京都で、9月に東京で、そして今回の名古屋研修で終わりました。
3回すべての研修会に参加しましたので、無事認定証をいただく事が出来ました。
アキュラ鍼灸院の徐先生は、3月に新刊を出されました。『はじめての妊活 カラダを温めれば不妊は治る!』
急遽、新刊発表サイン会(笑)となり、サイン入りの本を参加者にプレゼント!となりました。
写真では、気仙沼の阿部先生と、仙台・キュアーズ長町院長の小松先生。
山形・麗明堂鍼灸院の五十嵐先生、気仙沼の潮見治療院・阿部先生、仙台のキュアーズ長町の小松先生と、わが東北の鍼灸での不妊症治療の夜明けを作っていきたいと思います。
この本は当院にもありますので、ぜひお手にとってご覧下さい。
研修会後、みなさんで記念撮影!
来月、5月12日には、この研修会が当院で開催されます。