不妊症

授かること、について(2)



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いよいよ今度の日曜は、我が師会の60周年記念の県民無料講演会となります。

当日はどなたでも無料で聴講できます。
県鍼灸師会に所属している鍼灸院の名簿をお配りするほか、われわれ鍼灸院に使い捨ての鍼やお灸のもぐさなどを卸してくださっている(株)カナケンさんからは、せんねん灸などの試供品や、われわれプロも重宝するツボの小冊子・虎の巻の提供もあるようです。

大変ためになる講演会ですが、この小冊子だけでも大変価値があるものです。

さて、不妊症をテーマにした講演会ですが、会場にはすでに妊娠されてお腹が大きくなった方や、もしかしたら小さなお子様を連れていらっしゃる方もおられるでしょう。

これらの方は不妊症を卒業された方たちですが、きっと鍼灸で、また西洋医学的な治療と鍼灸を併用されてご卒業された方たちでしょう。

これから妊娠を目指している方は、こうした方を目にして気後れされる必要はありません。
会場に来られたママやプリ・ママさんも、ずっと子宝に恵まれないことを悩み、さまざまな治療を受けられていたはずです。

普通に子供ができた、すぐ子供ができた方は、この会場にはいらっしゃらないはずです。

近い将来に、みなさんの元にコウノトリがやってくることを祈っています。

授かること、について

子宝は天からの授かり物、とは良く聞く言葉です。

不妊に悩んでいらっしゃる方は、『まさか自分たち夫婦が不妊になるとは思わなかった・・・』『子供が欲しいと思えば、すぐできるものだと思っていた・・・』と思われている事でしょう。

病院でも鍼灸などでも、治療は先が見えないながいものになることが多く、当院でも数年にわたって通院されているかたが多くいらっしゃいます。

不妊歴が短く(不妊よりは未妊と言った方がいいかもしれません)、病院へ行かず最初から鍼灸をはじめた方・・・、病院での治療と並行して鍼灸を行っている方・・・、病院での治療を一時的にお休みして、その間に妊娠に適した体づくりを目指す方、など、患者さんの事情によって実に様々なケースがあります。

鍼灸は地味な治療ですが、『体づくり』に関しては確実な効果があるようです。
毎月、不妊症の方のカルテを点検し、患者さんがお持ちになった基礎体温表と合わせて検証しますが、ほぼすべての方で冷えや周期に関係して現れる不快な症状は改善していますし、基礎体温の改善もほぼすべての患者さんについて得られています。

効果があるけど確実に自然妊娠に至るかどうか、またそれは別な問題になります。
体の状態が改善し、タイミングを見計らって努力されても一向に良い結果が得られない事が大変多いのです。

そのようなケースでは、専門医の治療と同時進行で鍼灸を行っていない場合に限り、患者さんと相談の上専門医へ紹介し、治療を並行して行う事にしています。

幸い、当院のような零細な鍼灸院からの紹介でも良く対処してくださる専門医の先生が数名いらっしゃいます。

何が効いても、最後に挙児を得られることが大切なのだと思います。別に鍼灸単独での成功にこだわるものではありません。

子宝を望まれる方に毎日接していると、医療や治療のほかに強く感じることがあります。
あまり治療やタイミングを意識して、夫婦のあり方が悪い方に向かってはいないか?と感じることが良くあります。

特に体外受精を反復して受けられている方に接している感じます。

体外受精は現在究極の不妊治療であるといえますが、夫婦の存在の目的が『挙児を得る』事に、無意識のうちに移っていないか、と感じるのです。

女性は子供を産む機械・・・とか言って非常識を問われた政治家がいましたが、患者さん本人が無意識にそう思っているフシが伺われるのです。

たとえ体外受精しか妊娠の可能性が見いだせなくても、もっと自然に夫婦のありかたを持つべきだと思います。

治療をしている身でこう言うのも変ですが、現在子宝に恵まれなくても、夫婦は夫婦であって、完全さは子を持つ夫婦となんら変わりはないのです。

お互い、相手の子が欲しくて結婚したケースはないでしょう。お互い惹かれ合って、離れず一緒にいたいからこそ結婚したと思うのです。


まれに体外受精の胚移植の前に自然妊娠される例や(採卵した周期ではなく、移植する周期に)、不妊治療を一休みして、次の治療に備えるために鍼灸を行っている方などに自然妊娠される方がいます。

夫婦間の性交渉を生殖として割り切っておらず、ごく普通に生活されていると、こんな事も起こるのでしょう。

あまり排卵日を狙ったように意識せず(少しは意識しないとダメですけど)、むしろご主人なら、そのあたりの日にケーキでも買って帰るとか、奥さんなら、ご主人の好物のお総菜でも一品そえるとか、そんな風にして相手を思いやってはいかがでしょうか。


今月(7月)は、とても難しいケースでの自然妊娠例が2例ありました。詳しくは書けませんが、来年になって無事出産されましたら、患者さんから許可を頂いて学会で報告したいと思っています。

【再掲】8月9日の不妊症公開講座について

来る8月9日(日)には、郡山市の市民文化センターにて私が所属している鍼灸師会の創立60周年を記念して県民無料公開講座が開催されます。

今日は日曜でしたが、来月初めに迫った公開講座の実行委員会のため会議に参加してきました。



少子高齢化が切実な社会問題となってきている現在、県民の皆さんへ我々鍼灸師がどのように役立てるか・・・と考えると、やはり子宝に恵まれない方々へ、鍼灸のみならず西洋医学の最前線はどうなっているのか、という講演会を開いたら良いのではないか?となりました。

現在鍼灸による不妊治療を受けられている方、受けてみたいと思っている方、鍼灸に興味はないが、不妊治療の話を聞いてみたい方・・・

どなたでも歓迎いたしますので、ふるってご参加ください。

自然妊娠から高度先進生殖医療まで、西洋医学的にはどんな治療をどんなケースに行っているのか? 妊娠率はどのくらいか?
寿泉堂綜合病院の鈴木先生は、『できれば講演よりも、会場の皆さんからたくさんの質問を頂きたい。それに応えるような講演をしたい』と希望がありました。

ぜひ会場で、第一線で活躍する専門医のお話しを聞き、普段抱いている疑問などをご質問ください。

 寿泉堂綜合病院
 →http://www.jusendo.or.jp/

我が鍼灸師会の副会長である、郡山市の一寸法師ハリ治療院・中沢院長からは、ハリ治療が効果を現す根拠をわかりやすくご講演頂けるはずです。

たとえば、子宮や卵管は胃などの臓器と同じ筋肉組織を持っています。ハリ治療によって臓器にどんな変化や影響があるのか?など、一般の方だけではなく医師や看護師などの方などにもぜひ聞いて頂きたい内容だと思います。

 一寸法師ハリ治療院
 →http://www2u.biglobe.ne.jp/~hooshi/


東京・渋谷で開業されているアキュラ鍼灸院の徐院長からは、東洋医学・思想からみた不妊の養生や、おそらく上手な鍼灸治療の受け方などをお話し頂けると思います。

 アキュラ鍼灸院
 →http://www.acuraclinic.com/

アキュラ鍼灸院・徐先生のご講演では、光栄にも私が座長をつとめさせて頂ける事になりました。

時間が許せば、鍼灸や東洋医学・東洋思想での不妊について、ぜひ会場でご質問ください。質疑には大変丁寧に対応される先生です。



詳しい内容、日時については、↓をご覧ください。
http://fukushima.harikyu.or.jp/blog/archives/23.html


特に治療時には個別にお誘いはしていませんが、当院の患者様にはお時間があればぜひご聴講くださいますことを願っています。

講演の終わりには、若手の先生による安産やさかご、冷え性に良く効くお灸のツボの指導コーナーを開きます。

若くはありませんが、私も指導コーナーで手伝いますので、ぜひお声をかけてください。
日頃、慌ただしく治療をしていますので、この日ばかりはゆっくりとお話ししたいと思っています。