福島県白河市の鍼灸院、日常の鍼灸治療の診療日記や、学会参加記、趣味の日記
写真左から1枚目
麻酔・蘇生学講座 (帯状疱疹後神経痛)
浜松医科大学麻酔科助教授 白石義人先生
痛みを主訴とするもっとも難病な疾患はPHN(帯状包疹後神経痛)だと思います。ヘルペスの治癒後でも、神経痛が残ってしまった後遺症による痛みです。
この疾患について、ペインクリニックの立場から病状の解説や治療法についてお話して頂きました。
写真左から2枚目
内科学講座 (神経内科・パーキンソン病)
浜松医科大学第一内科助教授 宮嶋裕明先生
最近多くなり、当院にも数名の患者さんがいらっしゃるパーキンソン病、パーキンソン症候群についての最新医学のご講演でした。
ドーパミン不足か、またドーパミン受容体を含む黒質や周辺の異常によるものか、それによってパーキンソン病か症候群かに病態が分かれる、とのお話しでした。
この疾患に対する薬物治療や、また鍼灸治療による適応や期待までも話して頂きました。
写真左から3枚目
耳鼻咽喉科学講座 (めまいの診断と治療)
浜松医科大学耳鼻咽喉科教授 峯田周幸先生
鍼灸院にもわりあい多く来院する『めまい』のご講演です。
めまいも、そのほとんどは内耳や神経の異常、また自律神経の異常や、極端に言えば頚・肩こりでも起こる症状ですが、時に中枢性疾患、たとえば脳腫瘍や聴神経腫瘍、また脳血管疾患でも起こるばあいもあり、なんら科学的な検査も許されていない、われわれ鍼灸師でもできる鑑別法を詳しく教えて頂きました。
特に注視眼振による中枢性疾患(症例では聴神経腫瘍)の鑑別はたいへん勉強になりました。
写真左から1枚目
救急救命AED研修
「自動体外式除細動器の取扱い」
日本光電教育研修リーダー 原木善之先生
一定の講習を受けて単位を取得すると、不意の細動時に対応できる全自動式の体外除細動器の講習です。
これまでは病院などの医療機関で医師などしか操作できなかった除細動器ですが、細動発症時など、異常時だけにしか運転しないような全自動式が開発され、一般の方でも一定の講習を受けると操作できるようになりました。
鍼灸院でも設置しているところがあり、これから設置を考えている先生方は熱心に勉強していました。
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優秀論文口演 / 統合医療と鍼灸トピックス
埼玉医科大学東洋医学科主任 山口 智先生
統合医療と鍼灸トピックスと題して、西洋医学の届かない、特に腎不全による人工透析・腹膜透析の患者さんの不定愁訴に対応する鍼灸治療について講演して頂きました。
当院でも、腎不全による血液透析の患者さんがいます。
この患者さんの場合は、腎不全発症時から大学病院に受診・加療を受けていた当時から、当院で鍼灸治療を行っていました。
結果的に、残念ながら透析を行うことになってしまいましたが、透析に移行するまでの経過時間が大変長く、『うまく時間を稼いだ(主治医の感想)』と感謝されました。
また現在も体調管理で来院しますが、時に肩こりや頭痛を訴える以外、さしたる大きな異常もなく、日常生活も軽い農作業を行うなどおおむね順調に過ごされています。
『透析を行うと、特に下肢にくすぐったいような、痒いような・痛いような異常な感覚が現れやすく、また腰痛や肩こりと言った症状に鍼灸はよい効果がある』、『西洋医学的な対応が難しい症状には、鍼灸治療が効果があることが多い』、『西洋医学も鍼灸などの東洋医学も、お互い補い合ってはじめて患者本位の医療となることができるのではないかと思う』とは、講師の言葉でした。
学術の研鑽が学会の趣旨であるなら、業団の目指すものはそれだけではないと思います。
私の所属する青年部では、近藤部長以下、常に若手鍼灸師の求めるものを提供していく姿勢で様々な企画を考えています。
その一つが経営で、第一回日鍼会大会では青年部独自の企画として特に鍼灸学校学生、またこれから開業を目指す勤務鍼灸師の方をターゲットにして、『新規開業』をテーマにした講演を設けました。
「これが若手鍼灸師の現実だ!!」
−開業鍼灸師がホンネを語るー
座長
山梨県鍼灸師会会長 藤巻十三夫先生
東京都鍼灸師会理事 郷 宗知先生
演者
日本鍼灸師会青年部長 近藤健児先生
神奈川県鍼灸師会青年部長 小澤大輔先生
講演は2部構成で、明治鍼灸大学を卒業後、開業鍼灸院で学術や経営を勉強した日鍼会理事・青年部長の近藤健児先生、もう1席は、鍼灸学校を卒業後、主に整形外科などの医療機関で研修を積んで開業された神奈川県鍼灸師会理事・青年部長の小澤大輔先生です。
近藤先生は20代、小澤先生は30代半ば。
ともに開業の目的として、言葉はちがいますが『自分でデザインをした鍼灸医療を患者さんに提供したかった』という志が根底にあり、聴講された参加者にはその熱意が良く伝わっていたようでした。
また二人の先生は『偉そうに開業したことを自慢するつもりはない。会場内には私たちより数段上の先輩たちがいらっしゃると思うので、もっとよい経営のワザがあれば教えて欲しい』という真摯な問いかけに、参加者の共感する声は非常に多かったようです。
写真は、講演時の満席の会場内(230名参加)
もう一枚は浜松の夜景(ホテル・オークラ44階からの眺望)